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東北電・女川2号機工事継続、感染リスク憂慮 クラスター危ぶむ声

東北電は女川2号機の再稼働に向け、海抜約29メートルの防潮堤など安全対策工事を進める=2019年4月

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、東北電力は再稼働を目指す女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の安全対策工事を続けている。「安全性向上を図る観点から優先的に進める業務」と強調し、感染防止対策の徹底をアピールする。宮城県民からは感染拡大のリスクを憂慮し、中止を求める声も上がる。
 女川原発では2月末現在、約520人の東北電社員のほか、大手ゼネコンや協力企業の作業員約2300人が業務に従事。通常の定期検査や非常用電源の点検などのほか、原子炉格納容器の破損を防ぐ装置の設置、海抜約29メートルへの防潮堤のかさ上げなど多岐にわたる安全対策工事に当たる。
 東北電は一部の工事エリアが重複し、並行して作業ができないとして4月末、全体の完了時期を2020年度から22年度に延期する見通しを発表した。
 東北電の樋口康二郎社長は、工事完了の見直しについて「新型コロナの影響は考慮していない」と話す。現時点で作業員に感染は確認されておらず、ゼネコンなどからも工事停止の連絡を受けていないという。今後、感染者が出た場合には工事の一部縮小などを検討する見込みだ。
 各地での感染拡大を受け、女川原発では運転員専用の通勤バスを運行し、運転員以外の中央制御室への入室を禁止。感染者数が多い特定警戒都道府県などへの往来を業務内外で自粛する。
 一方、全国の原発では東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)と九州電力玄海原発(佐賀県)で4月中旬以降、社員や請負会社社員の感染が判明。工事の中断や出勤停止に追い込まれている。
 宮城県内の市民団体関係者らは東北電に対し、女川2号機の安全対策工事の中断を文書で申し入れる方向で調整を進める。
 「女川原発の再稼働を許さない!みやぎアクション」の多々良哲世話人(仙台市)は「原発でクラスター(感染者集団)が発生したら本当に危険。すぐに工事を止め、最小限の人員で保守管理をすべきだ」と訴える。


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2020年05月05日火曜日


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