宮城のニュース

宮城県、感染防止と経済両にらみ 行き来増で第2波懸念も

緊急事態宣言延長後の対応について、県幹部に意見を求める村井知事(中央)

 新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態措置への判断が各自治体で分かれる中、県は5日、感染防止と経済回復の二兎(にと)を追う戦略に出た。患者数の減少などを背景に、事業者への休業要請を7日で原則解除する方針を決めたが、医療関係者は感染の第2波を懸念。村井嘉浩知事は防疫対策を徹底し、感染が再び広がった場合は「改めて(営業自粛を)要請する」と強調した。

 県幹部と有識者ら計20人が出席した対策本部会議は冒頭、解除の判断材料となる県内の感染状況を確認。5日まで1週間連続で感染者がいない上、感染が確認された88人のうち72人(82%)が退院し、「小康状態が続いている」との認識で一致した。
 感染者の医療体制については、一定程度整備できていると判断した。感染症指定医療機関(29床)と協力病院(64床)、軽症者の療養先となる宿泊施設(200室)によって「患者が集中発生しなければ、当面は対応可能」と結論付けた。
 新型コロナの影響で冷え込んだ地域経済に議論が移ると、県幹部は「このままでは店がつぶれる」と窮状を訴える経営者の声を紹介。長丁場の対応を見据え、国が示した暮らし上の注意点「新しい生活様式」を導入した上で、経済活動の再開を容認した。
 出席した有識者3人は休業要請の解除方針を認めた。一方、感染拡大の兆候が見られた際は、直ちに営業自粛を再要請するよう念押しする声が上がった。
 東北大病院の冨永悌二院長は「以前と同じ暮らしに戻れる訳ではない。一定のルールに沿うのが前提だ」と指摘。県医師会の佐藤和宏会長は「地域経済の『死』を考えれば解除はやむを得ないが、事態は収束していない」とくぎを刺した。
 感染症が専門の賀来満夫東北医科薬科大特任教授は「新型コロナはまだまだ解明されていない点が多い」と強調。県民や事業者に手洗いや消毒、換気など感染予防対策の徹底を求めた。
 終了後、村井知事は県内の感染状況と経済の状態、専門家の意見を踏まえて「総合的に判断した」と説明。再要請のタイミングについては「感染拡大の兆候を捉え、早めに対応していく」と語った。
 休業要請の解除後、「コロナ疲れ」の反動で人の行き来が増える懸念がある。村井知事は東北と新潟の7県で越境の自粛を求める共同宣言を今週末に再び出せないか検討中だと明かし、「全く油断できない。もう一踏ん張りだ」と訴えた。


関連ページ: 宮城 社会 新型コロナ

2020年05月06日水曜日


先頭に戻る