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仙台市立病院の医師、感染不安の中で奮闘 不足する防護具は再利用で対応

陽性患者が仙台市立病院内へ入る感染症専用入口

 新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない中、感染症指定医療機関の仙台市立病院(太白区)が、治療の最前線で奮闘している。万全の感染防止態勢を敷くものの、医師や看護師は「見えない敵」への恐怖を抱えつつ、患者と向き合う。マスクなど医療資材の不足も深刻で、命のとりではぎりぎりの状態が続く。
(報道部・伊藤卓哉)

■感染症病棟を増床

 2014年に移転した市立病院は、感染症病棟(8床)を持つ。PCR検査で陽性と判明した患者は「感染症専用入口」から院内に入り、感染症外来で診察し、胸部エックス線検査で肺炎の有無を確かめた後、専用エレベーターで病棟に向かう。一般の入院・外来患者とは一切接触しない。
 軽症者や中等症者が入る病室は、一般病棟の個室とほぼ同じ広さがある。1室ずつウイルスが漏れないよう陰圧で管理し、院内感染を抑える。食事は一般病棟と同じ献立を患者に提供するが、感染防止のために使い捨ての容器を使う。
 4月は市内で感染者が増加し、感染症病棟が一時満床になったため、一般病棟の一部区画を感染症専用とし、陰圧管理を徹底した。新たに数十床が増え、今も数人がこの病床にいる。
 治療は感染症内科の医師1人と看護師を中心とするチームで当たる。呼吸器内科や小児科の医師が応援に入り、看護師は他診療科の応援者を含め3交代制とし、労働環境を維持する。

■枯渇危機 再利用も

 軽症者は解熱剤や酸素の投与、点滴などの対症療法で経過観察。中等症者には同意を得た上で、症状改善の効果があるとされる新型インフルエンザ治療薬「アビガン」を投与する。人工呼吸器などを使う重症患者は、今のところいない。
 医療資材は枯渇の危機にひんする。高機能マスクのN95は在庫が少なく、医師や看護師は1度使った後、約1週間後に再び使って消費を抑える。「付着したウイルスは1週間程度で消える」(奥田光崇院長)との見解に立つ。
 ゴム製の手袋も供給が不安定。防護服は原則、患者1人の対応が終わると交換するため、使用頻度が高いほか、「ウイルス付着の可能性が大きく、交換のたびに感染の不安がある」(市立病院関係者)という。
 市立病院総務課の担当者は「医療資材の中でも防護具が足りない。満足に治療行為ができなくなれば、医療崩壊にもつながるとの懸念がある」と不安を語る。


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2020年05月06日水曜日


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