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福島・Jヴィレッジ、全面営業再開1年 震災前水準まで利用回復もコロナで縮小営業

全面営業再開から1年を迎えたJヴィレッジ。新型コロナの影響でピッチは静か

 東京電力福島第1原発事故の対応拠点となったサッカー施設Jヴィレッジ(福島県楢葉町、広野町)は、昨年4月の全面営業再開から1年がたった。利用者数は原発事故前の水準を回復しつつあるが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響は大きく、「復興のシンボル」の模索が続く。
 運営会社によると、2019年度の利用者数は約49万人で、震災前の年間約50万人に迫った。サッカーに加え、アメリカンフットボールやフライングディスクなどの合宿・大会が行われ、堅調に推移した。
 ハード面ではJR常磐線のJヴィレッジ駅が常設駅となり、利便性が向上した。全天候型屋内練習場、ビジネス客の利用を見据えた宿泊棟を新設し、コンサートや企業研修など幅広いニーズを取り込める環境が整ってきた。
 同社の鶴本久也専務は「事故前のにぎわいを取り戻すという意味ではある程度はできたと思う。今後の成長に向けた足場固めの1年だった」と振り返る。
 影を落とすのが新型コロナだ。2月下旬以降の宿泊予約取り消しは数千人規模に膨らむ。東京五輪の聖火リレーやアイドルグループの2日間のコンサートなどが相次いで中止・延期となり、見込んでいた利用者1万人超がゼロになった。
 国内外に復興をアピールする絶好の機会と期待された聖火リレーは、直前の3月24日に中止が決定。その後に行われた聖火の一般公開は約1カ月間の予定が6日間で打ち切られ、慌ただしい対応を迫られた。
 スポーツジムを休止するなど規模を縮小しての営業が続く。「福島復興のシンボル」「日本サッカーの聖地」の二枚看板を掲げながら、鶴本専務は「地域や社会にどう貢献していくか。冷静になって施設の方向性をいろいろと考える期間としたい」と話す。


2020年05月02日土曜日


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