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ハチ公の白黒映画「上映したい」 渋谷区郷土博物館、著作権者の情報提供呼び掛け

1932年10月〜35年3月の間に撮影された晩年のハチ公(白根記念渋谷区郷土博物館・文学館提供)
忠犬ハチ公の物語を描いた白黒映画のフィルム

 秋田県大館市生まれの秋田犬「忠犬ハチ公」をモデルに、1958年に撮影されたとみられる白黒映画の16ミリフィルムが東京の白根記念渋谷区郷土博物館・文学館に寄贈され、同館が監督兼脚本を担当した人物やその家族を捜している。ハチ公を描いた白黒映画の存在はあまり知られておらず、同館は「著作権者の承諾が得られれば、一般向けに上映会を開きたい」と情報提供を呼び掛けている。
 寄贈された白黒映画は、飼い主が亡くなった後も主人を出迎えに渋谷駅へ日参するけなげな姿が世間の共感を呼んだ有名なストーリーを、子ども向けに描いた約49分の作品。ハチ公は、実際に秋田犬が演じているとみられる。
 郷土博物館によると、ハチ公が生きた1923〜35年の時代考証がなされておらず、撮影時期と想定される58年2〜5月ごろの渋谷の街が映っている。映画タイトルは不明。映像内のテロップから、監督と脚本を担当したのは昭和時代に映画界で活躍した中川順夫さんとみられる。
 一般の映画館で公開されたものではなく、小学校や公的施設で上映された教育映画だった可能性がある。都内に住む会社員の男性が昨年3月、「博物館で長く保存し、活用してもらいたい」と寄贈した。
 ハチ公が題材の映画は、87年の「ハチ公物語」と2009年のハリウッド版「HACHI 約束の犬」がともに大ヒットした。
 郷土博物館の松井圭太学芸員は「ハチ公の物語は通常、飼い主が早い段階で亡くなる。この映画は3分の2ほどまで生きていて内容が展開される点が、他の作品と異なる。1964年の東京五輪の少し前の渋谷の様子を知ることもできる」と解説する。
 新型コロナウイルスの感染抑止のため、郷土博物館は当面休館中。監督・脚本担当者に関する情報の連絡先は同館03(3486)2791。


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2020年05月07日木曜日


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