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マスク国内生産「投資は回収できる」 アイリスオーヤマ社長 ネット通販態勢も強化

大山晃弘社長

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、アイリスオーヤマが不足するマスクの国内生産を始める。6月から角田工場(宮城県角田市)で月6000万枚を生産。7月以降は原材料の製造設備も導入して100人を追加で雇用し、生産能力を月1億5000万枚に引き上げる。思い切った投資の狙いと展望を、大山晃弘社長に聞いた。
(聞き手は報道部・高橋一樹)

 −マスクの国内生産に踏み切った理由は。

 「2007年から中国の工場でマスクを生産しており、まずは中国向けの増産に動いた。その後に国内需要が爆発したが、中国では輸出規制が強まり、価格も高騰した。日本政府の要望もあり、国内でのできるだけ早い供給を目指した」
 「需要はさらに大きくなり6000万枚ではとても足りなくなった。中国でもマスクが一気に作られ、輸入に頼ってきた原材料の不織布も手に入らなくなった。不織布から国内で作るため、補助金を活用した追加投資を決めた。感染を防ぐ意識は世界中に残り、投資は必ず回収できる」

 −前例のない危機が訪れている。東日本大震災の経験は生きたか。

 「東京電力福島第1原発事故の影響で節電ニーズが高まり、10日後からLED(発光ダイオード)照明を増産した。被災した農家の支援で精米事業に参入したことも事業拡大につながった。変化はチャンス、ピンチはビッグチャンス。今回もできるだけ早く決断することが大事だと考えた」

 −コロナ危機に今後どう対応するか。

 「少なくとも年内は経済活動が制限される。(非接触で体温を測定する)『AIサーマルカメラ』や衛生用品、調理家電、在宅勤務向けの機器など、市場の変化に応じた商品開発を続ける。気軽に買い物に行けなくなっており、ネット通販の態勢も強化する」

 −コロナが終息した後の社会をどう展望する。

 「働き方が大きく変わる。わざわざ社員が満員電車に乗る交通費をかけ、土地代の高い地域に人を集める文化は見直され、遠隔勤務が一定割合残ると思う。テレワークが定着した欧米では自宅に書斎があるが日本ではほとんどなく、机や照明といった需要はまだまだ伸びる。現在のオフィスを最適化するための法人需要も生まれる」
 「時間より成果を重視した働き方が広がるだろう。都市部への人口一極集中が緩む可能性もある。激しい変化を捉えた商品提案をしていきたい」

[おおやま・あきひろ] 東北学院高卒。2003年IRIS USAに入り、10年アイリスオーヤマ入社。執行役員ホーム開発部長、取締役を経て18年7月から社長。42歳。仙台市出身。


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2020年05月08日金曜日


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