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コウナゴ漁、きょう打ち切り 宮城で水揚げゼロ

石巻漁港に停泊するコウナゴ漁船。9日に漁が打ち切られる
宮城県沿岸で不漁になっているコウナゴ

 宮城県沿岸で今季のコウナゴ漁の水揚げゼロが続き、県小型漁船漁業部会などは、9日の水揚げを最後に漁を切り上げると決めた。記録が残る1960年以降、東日本大震災の影響で漁ができなかった2011年を除くと、初めて水揚げなしで漁期を終える見込み。

 コウナゴは港に春を告げる魚と呼ばれ、今季は4月13日に漁が解禁された。仙台湾や金華山沖などで操業したが水揚げに至らず、今月21日の漁期終了を待たずに見切りをつけた。
 県漁協と県水産技術総合センター(ともに石巻市)によると、県沿岸のコウナゴ漁獲量は1980年の約3万3000トンをピークに減少。2009年以降は4000トンを割り込み、昨年は過去最低の26トンだった。
 コウナゴは温かさに弱く、夏に砂の中で「夏眠(かみん)」する習性がある。センターは、地球温暖化の影響で海水温が高く、夏眠の間にも体力が低下して冬の産卵に影響が出ているとみる。
 海水温上昇の理由として、センターの矢倉浅黄(あさぎ)技師は海流の変化の可能性も指摘する。例年、春になると寒流の親潮が三陸沖まで南下し、暖流の黒潮とぶつかり漁場を形成する。だが16年ごろから寒流の南下の勢いが弱まり、今年は青森県沖で停滞している。このため三陸沖の海水温が高い状態が続いているという。
 ただ、コウナゴの発生量は捕食魚種の増加など複数の要因が影響する。矢倉技師は、原因の特定は難しいとした上で「これだけ減ると来年以降、発生量が戻るとは考えにくい」と言う。
 石巻魚市場の丹野大治取締役営業部長は「親魚のメロウドの水揚げも振るわない。コウナゴは市場の花形だけに衝撃は大きい」と話す。


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2020年05月09日土曜日


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