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新型コロナで東北初の死者 宮城県、詳細公表せず「遺族への配慮」

新型コロナウイルスの死者を発表した宮城県の記者会見=県庁

 宮城県は9日、新型コロナウイルスによる東北初の死者を発表した記者会見で「入院中の80代男性」とだけ公表し、病状の変遷や持病の種類など県民に注意を喚起する情報を明らかにしなかった。県は「遺族への配慮」を理由に挙げたが、発表の範囲は遺族に十分確認せず独自に決めていた。
 「新型コロナによる死亡リスクを県民に周知したい」。県の担当者は記者会見の意義を強調する一方、男性の発症時期や死亡時間、持病名、病状の経過などは公表しなかった。
 これまでの発表資料を総合すると、県内の感染者で80代の男性は1人しかいない。「誰でも特定できる」との報道陣の質問に、県側は主体的に情報を発信すれば遺族に負担をかける恐れがある、との考えを示した。
 男性は陽性判明時、無症状だったとみられる。「新型コロナはいつ重篤化してもおかしくない。死に至った経過を発信すべきではないか」との問いにも、県は「国内で同様の経過をたどる人は多い。この人を殊更取り上げる必要はない」と反論した。
 終了後、病状の経過を伝えることが感染予防につながるとの認識があるかどうかを問われた県疾病・感染症対策室の小山高史室長は「その受け止めはある。こちらで発表内容を決めたのは反省材料だ」と弁明。「今後、公表の在り方を検討する」と述べた。


2020年05月10日日曜日


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