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集団移転の宅地造成、被災3県全て完了 着工8年、福島・浪江が最後

 東日本大震災の防災集団移転促進事業で計画された岩手、宮城、福島3県の宅地造成が3月末までに全て完成した。3県26市町村の計321地区に民間宅地8389戸と災害公営住宅4140戸の計1万2529戸分の宅地を整備。最初の団地の着工から約8年を要した。(報道部・坂井直人)
 最後となっていた福島県浪江町の請戸地区で3月末、民間宅地16戸分の団地造成が終わった。町の担当者は「埋蔵文化財の調査や道路整備が必要だった」と長期化した理由を説明する。
 事業は岩手7市町村、宮城12市町村、福島7市町村で実施。各県の造成状況は表の通り。造成面積は岩手約189ヘクタール、宮城約569ヘクタール、福島約80ヘクタールに及ぶ。
 事業は、災害の危険性から居住に適さないと認定された区域内の集団移転を促進する。国が、市町村による造成や移転元地の買い取り、移転者の住宅ローンの利子相当分や引っ越し費用などを支援する。
 震災では1地区10戸以上だった規模要件を5戸以上に緩和して移転しやすくしたほか、実質的に全額国費とした。同じく集団移転促進事業を実施した茨城県を含む復興交付金の事業費は約5600億円を見込む。
 手厚い支援の一方、高台などの移転先では住民の減少や高齢化、コミュニティー形成、利便性確保などの課題が表面化している。
 宅地整備ではこのほか、土地区画整理事業や漁業集落防災機能強化事業も実施された。国交省は本年度、学識経験者や被災地の自治体関係者をメンバーとする検証委員会を立ち上げ、事業の検証に着手する方針。


2020年05月10日日曜日


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