
仙台の大型商業施設、相次ぎ再開 客足は控えめ


新型コロナウイルスの感染拡大で臨時休業していた仙台市内の大型商業施設が11日、全館での営業を24日ぶりに再開した。緊急事態宣言下で不要不急の外出自粛が呼び掛けられる中とあり、客足は控えめだった。
多くの商業施設が立地する青葉区のJR仙台駅前では、エスパル仙台、イービーンズ、アエル、仙台ロフトがそろって午前11時に開店した。エスパル仙台の山本信也店長は「感染防止対策を発信し、安心して買い物してもらうことが大切。地域経済を元に戻す雰囲気づくりにつなげたい」と意気込んだ。
藤崎は午前10時に開店。来店した泉区の雑貨製造販売業平塚剛さん(42)は「衣料ブランド店で1カ月前に予約していたキャップを取りに来た。久しぶりの来店は楽しみだが、あまり長居しないようにする」と話した。
藤崎は県外客が多い土日祝日は食品フロアのみ営業する。小野寺宣克常務は「新しい生活様式に合わせた消費者ニーズを探っていきたい。営業態勢の拡大は中元商戦が始まる6月中旬を目安にする」と語った。
泉区の仙台泉プレミアム・アウトレットも同日に営業を再開した。緊急事態宣言が全国に拡大されたことを受け、いずれも4月18日から食品フロアや医療施設を除いて休業していた。
◎マスクと消毒 徹底呼び掛け
臨時休業から11日に相次いで営業を再開した仙台市内の大型商業施設は、従業員、来店客の感染リスクを軽減しようと「3密」回避や飛沫(ひまつ)防止にも心を砕いた。
藤崎は、来店客に対しマスクの着用や手指消毒の徹底を呼び掛けた。マスクがない客に不織布を配る取り組みも始めた。
エスパル仙台はインフォメーションカウンターに飛沫防止シートを設置。休憩スペースのいすを撤去するなどの対策も実施した。客にはマスク着用や少人数での来店を求めた。
イービーンズ、アエルも、出入り口へのアルコール消毒液設置といった対策とともに、テナントを含めた従業員らの検温など健康管理の徹底を掲げている。
2020年05月12日火曜日