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仙台の産科、感染防止ピリピリ 「里帰り」2週間待機や面会制限で「母子と職員守る」

感染を防ぐため、窓ガラス越しに赤ちゃんを家族に見せる女性=4月下旬、仙台市泉区のとも子助産院(同助産院提供)

 仙台市内の産科施設が新型コロナウイルス感染防止に神経をとがらせている。産科の数は多くなく、万が一、院内感染が起きて休診を余儀なくされれば影響は計り知れない。里帰り出産を望む妊婦に一定期間の自宅待機を求めたり、家族の立ち会いや面会に制限を設けたりと、ウイルスの侵入阻止に躍起となっている。

 メリーレディースクリニック(青葉区)は日本産科婦人科学会の勧告に沿い、4月中旬から立ち会いや面会を認めていない。里帰り出産の妊婦は帰省後2週間が経過し、無症状と確認されてから受診してもらう。
 家族不在のお産に不安を感じる妊婦も多く、陣痛が来たら助産師が付き添い、家族とテレビ電話で話せるよう配慮している。宮城県で事業者への休業要請が7日に解除され、立ち会いや面会の制限緩和を求める声も寄せられているが、当面はこの感染防止策を継続する方針という。
 国井周太郎院長は「万が一、集団感染が起きたら病棟を閉鎖しなければならない。分娩(ぶんべん)を待つ大勢の妊婦の受け入れ先を確保するとなると、大変な困難が予想される」と理解を求める。
 セイントマザークリニック(青葉区)は原則、県内で同居する夫に限り立ち会い出産を認めている。通常1〜4週おきにある妊婦健診は1週間長く間隔を空け、通院回数を減らした。その分、1回の健診時間を長くして妊婦の話をじっくり聞いている。
 佐藤聡二郎院長は「体調の変化があれば我慢せずに、かかりつけ医に相談してほしい」と呼び掛ける。
 総合病院はさらに厳格な対応を取る。東北公済病院(青葉区)は4月初旬、妊婦を含め入院患者との面会を全面的に禁止し、立ち会い出産も不可とした。
 妊婦やその家族の感染が疑われる中でお産するケースに備え、専用の病室を1室確保。産科医や看護師らが防護服を着用し、緊急の帝王切開手術をするシミュレーションを繰り返す。
 岡村州博院長は「職員と患者を守りたい一心。基本的にPCR検査は症状のある患者にのみ行われているが、入院や手術、分娩を予定する全員に実施できれば対策を講じやすい」と訴える。
 とも子助産院(泉区)は産前、産後を家族と一緒に過ごせる産科施設だが、4月は立ち会い出産を断り、家族には窓ガラス越しに母子と面会してもらった。
 大型連休後はお産が重ならない場合に限り、立ち会いや面会を認めている。伊藤朋子院長は「助産院の良さが発揮できず残念だが、今できることをやり、母子に寄り添いたい」と話す。


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2020年05月12日火曜日


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