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東北の上場企業、決算取りまとめ苦悩 経営環境が激変し影響評価困難に

やまやの子会社が運営する居酒屋。新型コロナにより先行きが不透明な中、出入り口での消毒を徹底させる対策を取って8日に営業を再開させた=仙台市青葉区

 新型コロナウイルスの感染拡大で、東北の上場企業が決算の取りまとめに苦慮している。例年、3月期決算の発表が集中する5月。経営環境の激変や業務の遅れを理由に、発表を延期したり、業績予想の開示を見送ったりするケースが相次ぐ。

 酒類販売で業界トップクラスのやまや(仙台市)は、決算業務や監査の時間を確保するため、2020年3月期決算の発表日を当初予定の12日から1カ月遅らせ、6月12日とする。
 子会社が運営する居酒屋は新型コロナ感染拡大で大打撃を受けた。休業や短縮営業を強いられ、3月の売り上げは前年同期比で半減。事態が収まる時期を仮定しながら店舗の帳簿上の価値を引き下げる「減損」を計算し直さなければならない。
 担当者は「前例のない状況。売り上げがどの時期に戻るのかを判断するのが難しい」と頭を抱える。
 東北の上場企業50社のうち、飲食業や製造業、金融業などの計約30社が今月13〜19日に3月期決算の発表を計画する。政府の緊急事態宣言を受け、東京証券取引所は決算作業などの実施が難しい場合の発表日程の再検討を求めている。
 繊維事業などを展開する日東紡(福島市)は当初予定の13日を21日に延ばす。経理部門のある東京本部を3月上旬から原則在宅勤務としており、会計業務に遅れが出たという。
 コーポレートコミュニケーション部の宮田毅部長は「自宅では印刷や顔を突き合わせたやりとりができず、画面上で数値の確認をしたため時間がかかった。会社の情報は速やかに出すのが原則であり、最低限の延期幅で対応する」と株主らに理解を求める。

 決算発表時に次期の業績予想を「未定」とした企業もある。
 ホームセンターのサンデー(八戸市)は「外出自粛要請で消費者の購買行動が大きく変化している」などと理由を挙げた。東北電力の樋口康二郎社長は「電力需要減少や燃料価格下落など収支への影響は広範囲にわたり、現時点で影響額を合理的に評価するのは困難」と説明する。
 東証は上場企業に対し「市場での不正確・不明確な情報に基づく価格形成を回避し、適切な投資判断を促す観点から、確定次第、決算内容を示してほしい」と要望。新型コロナへの対応や事業活動への影響を積極的に開示するよう訴える。


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2020年05月12日火曜日


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