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相次ぐトラブル、長引く審査 「合格」も拭えぬ不安 六ケ所の再処理工場

 日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の新規制基準適合性審査は6年4カ月に及んだ。その軌跡は、原燃の度重なる不手際の歴史でもある。「原燃は事業者として適格か」。高度な安全性が求められる再処理工場を運営するための能力や信頼への不安は拭えていない。
(青森総局・八巻愛知)

 「たちが悪い」。放射性物質漏えいを防ぐ排風機の一部が停止した2019年8月のトラブル。原子力規制委員会の更田豊志委員長は厳しい言葉で批判した。
 トラブルの原因は駆動ベルトの取り付けミス。協力会社に指摘されていたにもかかわらず、現場レベルで「問題ない」と判断、上司への報告も怠っていた。
 保安規定違反は7件に上る。17年8月に発覚した非常用電源建屋への雨水流入問題では、原燃による長年の点検漏れなど安全上の問題も次々と判明し、審査が半年間ストップした。
 16年に北陸電力志賀原発(石川県)で雨水流入があり、規制委が調査を命じていたが、原燃は現場確認をせず「止水措置済み」と報告。実際には止水剤が劣化し、0.8トンの雨水が流れ込んでいた。
 審査終盤でも申請書類の記載漏れや誤記、ページの落丁などの単純ミスが繰り返された。規制委関係者は「原燃には潜在的に甘いところがある」と指摘する。
 再処理工場は、06〜08年に実施した機器や設備の性能検査「アクティブ試験」以降、ほとんど稼働していない。十分な技能を持った人材が減っており、ミス頻発の一因になっているとみる専門家は少なくない。
 NPO法人「原子力資料情報室」(東京)の伴英幸共同代表は「核燃料サイクルが破綻している現状で社員のモチベーションが保てず、単純ミスが起きてしまう。今後もトラブルが続くのではないか」と話す。


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2020年05月14日木曜日


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