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岩手県「感染ゼロ」死守へ 県民に自衛呼び掛け

感染予防を呼び掛ける横断幕=岩手県庁

 新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言が14日解除された岩手県は全国で唯一、いまだに感染者が確認されていない。「感染者確認ゼロ」のキープを目標に掲げる県は、県民に一層の自衛を求めている。
 「県民の皆さまに協力いただいている結果だ」。感染症指定医療機関である盛岡市立病院の加藤章信院長は、感染者未確認は不要不急の外出自粛や3密回避の習慣が県民に広まった「証し」との見方を示す。
 県は5月に入り、感染者を見つけ出すPCR検査の民間委託を拡大した。検査数はグラフの通り。13日時点で累計478件で、直近1週間で約90件増えた。
 他の東北5県は、横浜港に停泊したクルーズ船の乗客を除き、感染1例目が84〜231件の検査で確認された。岩手は500件近い検査でなおゼロだが、県幹部は「岩手で出ない理由はない」と警戒を解かない。
 県は新型コロナの対処方針に「感染未確認地域の状態を維持すること」を目標に打ち出している。県民には感染予防の徹底と経済活動の両立を求めている。
 感染確認数が東北最多の宮城県(88件)と接する一関市は張り詰めた空気が漂う。14日、勝部修市長は「今、気を緩めると今までの努力が水の泡になる」との談話を発表。市民に隙を生まないように呼び掛けた。
 営業再開に踏み切れずにいる飲食業者も少なくない。盛岡市内のある飲食業者は「店から感染者第1号を出したくないからね」とぼやく。
 加藤院長は「宣言の解除は、感染症の克服を意味するものではない。感染拡大に備え、県民に協力を求めつつ医療体制の強化を図りたい」と強調する。


2020年05月15日金曜日


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