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「新しい生活様式」手探りで 緊張感と戸惑いと

「新しい生活様式」の実践を呼び掛ける宮城県の掲示板=14日午後2時20分ごろ、JR仙台駅

 新型コロナウイルス感染拡大を受けた緊急事態宣言が14日、39県で解除された。国は外出時のマスク着用や対人距離の確保など密閉、密集、密接の「3密」を避ける「新しい生活様式」の継続を求める。仕事や生活が平常に戻りつつある中でどう実践していくのか、東北各地の声を聞いた。

 「『新しい』と言われても既に取り組んでいる習慣が多く、違和感はない」。福島市の団体職員佐々木慎一さん(59)は冷静だ。買い物は手早く済ませ、散歩は人がいない時間を見計らう。飲み会も4カ月近くご無沙汰という。「自分が感染したら職場や周囲の人にうつしてしまう」と緊張感を維持する。
 街角のマスク姿は定着しつつあるが、仙台市青葉区の主婦佐藤亜矢子さん(29)は「暖かくなり、少し暑苦しいと感じるようになった」と苦笑い。2人暮らしの夫(34)と「自宅で食事する時の会話も控えなくてはいけないなんて」と困惑しつつ気を引き締める。
 仕事で「3密」になったり、不特定多数と接したりする場面は多く、対応に悩む人は増えそうだ。
 青森市の最上太平次さん(87)は、自宅で運営する障害者福祉施設を6月に再開する予定。14畳の部屋で5、6人が縫製などの作業に従事する環境で「対面を避け、2メートルも空けるのは難しい。マスク着用と手指の消毒、換気を徹底するのが関の山だ」と明かす。
 鶴岡市の理容師佐藤順子さん(68)は、小まめな手洗いなど自身の感染防止対策を徹底した上で「お客さんにも体温を測ってもらったり、なるべく予約が重ならないようにしたりしている」と警戒を続ける。
 新様式を理解しつつ、戸惑う声も。秋田市の会社員星野修平さん(25)は「できるだけ実践するが、飲食店で食事相手と横並びにはなりにくい。オンラインでの名刺交換も、先方に失礼だと受け取られないか不安だ」と漏らす。
 盛岡市の介護士川島綾子さん(45)は「日々の検温をはじめ、会った人と場所の記録は個々の努力に任せられている。国の呼び掛けだけでは徹底は難しく、家庭ごとに差が出ると思う」と懸念を口にした。


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2020年05月15日金曜日


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