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栗原の三セク2社が窮地 施設ほぼ休業で赤字膨らむ

宿泊施設の休館が続くハイルザーム栗駒=13日、宮城県栗原市栗駒

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う観光自粛の影響で、宮城県栗原市の宿泊施設などを管理運営する第三セクター2社の経営状況が厳しさを増している。多額の累積赤字を抱えており、自粛が長引けばさらに赤字は膨らむ。専門家は、観光や交通に関わる全国の第三セクター、公社で「収益が悪化している」と指摘する。

 栗原市の第三セクター「ゆめぐり」は、ハイルザーム栗駒や花山温泉温湯山荘など市所有の観光宿泊施設の指定管理者。緊急事態宣言を受けて、4月25日から全施設休館した。
 4月の売り上げは、前年同月比9割減の見通し。2008年の岩手・宮城内陸地震、11年の東日本大震災などの影響で累積赤字は18年度決算で約2億1700万円まで膨らんだ。
 宮城県の緊急事態宣言指定解除を受け、6月1日から全館営業を再開する。同社の阿部豊喜総務部長は「お客さまが戻らなければ逆に経費がかさむことになる」と先行きを不安視する。
 栗原市では、市所有の交流施設エポカ21もホテルを除く全施設を休業する。指定管理者の同市の第三セクター「くりはら振興」は累積赤字が約1億3800万円(18年度決算)に上る。
 2社は、地元とのつながりが強い。職員数はパートを含め計約120人。食材などの取引額はハイルザーム栗駒だけで月約800万円になるという。
 市は当座の運転資金として、通常は分割払いの指定管理料を前倒しして2社に全額、計約6300万円を振り込んだ。観光需要の低迷は長期化する可能性があるが、新たな財政支援には慎重だ。伊藤郁也企画部長は「民間事業者も厳しい状況なのに、三セクだけ特別扱いするのは難しい」と説明する。
 総務省「第三セクター等のあり方に関する研究会」の座長を務めた宮脇淳・北大公共政策大学院教授(行政学)は、新型コロナ前から経営状況の良くない三セクが全国的に多く、今後、事業の破綻や清算が起こる可能性を指摘する。
 その上で、「21年度はコロナ不況で国も自治体も税収が減少する。交通や医療などで市民生活に欠かせない三セクもある。どの事業を優先するのか、自治体は早急に検討する必要がある」と強調する。


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2020年05月18日月曜日


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