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コロナが石巻の水産業を直撃 技能実習生、来日できず 市の基幹産業ピンチ

カキの殻をむく実習生ら。1日500キロ以上を扱う日もある=宮城県石巻市の本田水産

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う入国制限で外国人技能実習生が来日できなくなり、東北屈指の港町・石巻市の水産業界がピンチに直面している。加工業や漁船操業で頼りにしてきた人材を確保できないからだ。市の基幹産業の落ち込みは避けられず、関係者は頭を抱えている。

 「生産ラインを保ちたいが、今後どうなるか分からない」。カキやホヤを扱う石巻市の水産加工会社「本田水産」の本田太社長(69)は不安を口にする。
 同社は20〜33歳のミャンマー人実習生を35人受け入れている。うち6人の受け入れ期間が今月で終わるため、ミャンマー政府のチャーター機で帰国させた。新たに6人を受け入れたいが、現地でも新型コロナ感染に伴う外出自粛の影響が及び、調整が進まないという。
 従業員の高齢化が進む中、全体の3分の1を占める実習生の存在は大きい。本田社長は「秋になれば別の6人が帰国し、人は減る一方だ。受け入れできない状況がいつまで続くのか見通せない」と悩む。
 漁船操業の人手不足も深刻さを増す。実習生約40人を受け入れる市内のある漁協では、今春予定していた約10人の来日が宙に浮いている。担当者は「計5隻の船に乗ってもらう予定だった。実習の修了者が帰国するばかりでは出漁できない船が出てくる」と話す。
 農林水産省の2018年漁業センサスによると、石巻市の水産加工業と漁業の従事者は、東北の市町村で最多の計約4400人に上る。
 外国人技能実習制度は技能習得が本来の目的だが、個人経営の漁業者にとっても実習生は貴重な人材だ。家族で漁業を営む石巻市の佐藤一さん(66)は「実習生が1人減っただけで死活問題。このままでは船を出せなくなるかもしれない」と焦りを見せた。


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2020年05月18日月曜日


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