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「延命した先見えているか」廃業の経験をブログで発信 青森の男性

店の食器などを整理する福井さん=青森市

 仙台市と青森市でカフェなどを経営していた福井寿和さん(33)=青森市=が、新型コロナウイルスの影響で廃業を決断した経緯をブログにつづり、話題になっている。福井さんは「多くの人が不安を抱える今だからこそ、廃業を選んだ人が経験を伝えることに価値があると思った」と語る。

 5店舗の客足がぱたりと止まったのは2月末。売り上げは3分の1に落ち込み、1日1万円にも満たない日すらあった。
 <コロナを悲観して考え、自分たちがコントロールできる範囲で、会社の数字を現実的に突き詰める必要がある>。4月20日に全店休業に入った。
 テークアウトや、ネット通販など新規事業も検討したが、売り上げを維持できるモデルが思い浮かばない。営業を再開しても、感染リスクが前提となる。補償や融資を受けた先の展望が見えなかった。
 <事業環境が変化した中で、私は売り上げを回復するプランを描けませんでした>。従業員への手当や取引先への影響を考え、財務の傷が浅いうちに特別清算を決めた。
 ブログを書いたのは、廃業とはどういうものか、生活がどうなるか、経営者の自分自身が一番知りたかったことだったからだ。廃業や倒産を経験した人は表立っては語らず、「それなら、自分が知らせようと思った」という。
 8日の公開後、苦境に立つ同業者を中心に共感を示したり決断を支持したりする声が集まったが、「英断」と称賛されるのは違和感もある。「廃業が正解とは限らない。補償で延命した先が見えているのか、再考するきっかけにしてほしい」と話す。
 今後もブログで発信を続けつつ、飲食業界を手助けする方法を模索していく。<廃業した人間が前を向いて生きていることを伝えるのが使命だと思っています>


関連ページ: 青森 社会 新型コロナ

2020年05月18日月曜日


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