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介護施設でショッピング 福島の訪問物販会社がオンラインデパートを本格化

デパートに見立てた自社事務所で、パソコンの画面越しに接客する中野渡さん

 高齢者施設向けの訪問美容・物販を手掛けるシニアリンク・コミュニケーション(福島市)が「オンラインデパート」の取り組みを本格化させている。自社事務所をデパートに見立てて服などを展示し、施設と映像でつないで入所者を社員が接客する。外出せずに買い物を楽しめると利用者から評判だ。
 福島市八島町の自社事務所に介護が必要な高齢者用の服やおしゃれ着、小物など5000点超が所狭しと並ぶ。オンラインデパートでは事務所と市内の高齢者施設をテレビ会議アプリ「Zoom(ズーム)」などで結び、予算や好みを聞き取って商品を薦める。
 パソコンの画面越しに70代女性を接客したスタッフの中野渡南さんは、日常会話を交えて生地の感触や着心地を丁寧に説明。「利用者から『外に出られないけど買い物は楽しい』との言葉を頂けた」と喜んだ。
 2016年創業の同社は東北や関東を中心に高齢者施設に出向き、商品を販売する買い物イベントなどを展開してきたが、新型コロナウイルス感染拡大でキャンセルが相次いだ。今年3月には売上高が前年同時期の7割に落ち込み、衣替えなどで書き入れ時の4月に入っても低迷は続いた。
 入所者の外出や家族らの面会を禁じる高齢者施設が相次ぐ中、取引先の「入所者が楽しめる機会を提供したい」との声を受けて構想を固め、オンラインデパートを開始した。コストの縮減で、価格を訪問販売より4割ほど安く設定。1人でも、1商品だけでも購入することができる。
 同社は福島県が主催した17年の「ふくしまベンチャーアワード」で最優秀賞に選ばれている。代表の遠藤康弘さん(35)は「オンラインの利点を生かし、ゆくゆくは全国や山間部にも事業を広げたい」と話す。


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2020年05月19日火曜日


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