
手作りマスクで元気に登校してね 仙台・住吉台小のPTAや住民が全校児童分を製作
新型コロナウイルスの感染防止のため、仙台市泉区の住吉台小PTAが、地元住民らと協力して児童に配る布マスクを製作した。いつもあいさつしてくれる児童の役に立ちたい−。地域が学校に向ける温かいまなざしに支えられ、わずか3週間で全校児童340人分を完成させた。
PTAがマスク製作を考えたのは、市販の子ども用サイズが入手しにくいためだ。学年に応じて大中小のサイズを製作し、水玉や花柄などかわいらしい生地で仕立てた。
ただ、全校児童分を作るには縫い手も材料も足りない。町内会にも協力を依頼し、PTA、学校、学校支援地域本部を含めた4者でプロジェクトを発足。1日に広報紙を通じて広く協力を呼び掛けた。
手を挙げたのは、孫を持つお年寄りや保護者ら10〜70代の約40人。PTA役員らがマスクを受け取りに行くと、「子どもが喜んでくれる顔を思い浮かべながら縫うのが楽しい」「裁縫は得意ではないけれど、1枚でも2枚でも応援したい」などの思いを寄せた。
PTA会長の松藤若菜さん(35)は「あっという間に全校児童分のかわいらしいマスクが集まった。皆さんからのプレゼントなので、子どもたちには大切に使ってほしい」と願う。
連合町内会長の後藤郁雄さん(72)は「子どもを守るため、地域が結束できた」と喜ぶ。同時に「コロナ対応で自宅にとどまる中、お年寄りたちも活動に積極参加することで元気や力をもらっている」と別の効果も実感する。
集まったマスクは目標数を上回る540枚。登校日の21日に担任教諭が児童一人一人に手渡しする。
同校では総合的学習の時間の授業や朝の見守り活動など、さまざまな形で住民が関わってきた。
阿部千幸校長は「学校は多くの地域の方に支えられているんだと実感した」と感激。「皆さんに会ったら元気にあいさつしよう。それがみんなのお返しだから」と児童に伝えるつもりだ。
2020年05月20日水曜日