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90億円捻出へ総力戦 仙台市、予算大幅組み替え

本年度の主要事業を紹介した市広報紙「仙台市政だより」4月号の特集ページ

 仙台市は新型コロナウイルス感染症対応や緊急経済対策の財源確保のため、本年度予算の大幅な組み替えを進めている。現時点で約90億円の捻出を目標に掲げ、各部局が一般財源を充てる事業費の15%カットに取り組む。市役所本庁舎の建て替え検討など「不動の案件」もあるが、不要不急の事業を中心に全庁を挙げて財源をかき集めている。(報道部・高木大毅)

 市財政局は今後の感染防止策や経済対策による支出増のほか、外出自粛や休業・時短営業を要請した影響で、税収や施設使用料収入が大幅に減少するとみて、必要な財源額を試算した。
 公営企業を除く全部局に4月下旬、事業費の15%削減を目標に中止や延期する施策を選定するよう通知。人件費などの義務的経費や特別交付税の対象事業以外で、一般財源を充てている事業の組み替えを協議し、約90億円の捻出を目指す。

 まちづくり政策局は定禅寺通(青葉区)の一部車道を通行止めにし、車線縮小の効果を探る社会実験を今秋に予定したが、中止の方向で検討を始めた。危機管理室は中止を決めた総合防災訓練の経費などを集め、15%カットに対応する。
 文化観光局は延期された東京五輪・パラリンピック関連費、中止となった仙台国際ハーフマラソン大会の開催費を減額。補正予算に反映し、今月2日の市議会臨時会で可決されたが、さらなる削減に踏み切る。
 市議会も市当局の動きに協力。6月定例会に条例改正案を議員提出し、月額報酬を3万円減額するほか、政務活動費と視察旅費の削減も決定し、市当局に減額補正するよう申し入れた。議会費からも約1億1800万円の財源を捻出する。
 全庁総力戦の様相を呈するが、職員からは悲鳴も上がる。ある幹部は「多くのイベントが中止となったが、ソフト事業は予算額が小さい。15%達成にはハード事業にも切り込まざるを得ず、市民に迷惑が掛かってしまう」と頭を抱える。

 市議会の一部には市役所建て替えや、音楽ホール建設など大型プロジェクトの見直しを求める声もある。本年度は計画策定や基本構想の検討などにとどまり、すぐさま大規模な財源確保につながらないが、中長期的には捻出効果が大きい。
 だが、市は現時点で慎重な姿勢を貫く。郡和子市長は取材に「いろいろな部分で見直しは必要だが、市役所本庁舎は耐用年数の問題があり、整備を遅らせるという判断はないと考える。音楽ホールも目標を捨ててはいない」と明言した。


2020年05月23日土曜日


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