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住居確保給付金や納税猶予…「暮らしSOS」相談殺到 仙台の各区役所職員総動員

住居確保給付金の相談や申請に応じる青葉区役所の会議室

 新型コロナウイルス感染症の影響で、仙台市内の各区役所には生活が苦しくなった市民から、各種セーフティーネットに関する相談が殺到している。住居確保給付金の相談は、既に前年度1年間の約9倍に激増。固定資産税の納税猶予、生活保護などの問い合わせも相次ぐ。相談や申請は今後さらに増えると見込まれ、各区役所は職員を総動員して対応に当たる。
 市保護自立課によると、住居確保給付金の相談件数は、4月1日〜5月15日で1483件に達した。2019年度は年間167件で、新型コロナ感染拡大後の急増ぶりが際立つ。実際の申請件数も1カ月半で450件に上り、19年度の年間40件と比べ11倍以上になっている。
 国が給付対象を離職や失業で困窮した世帯だけでなく、特例として収入が大幅に減った世帯にも拡大したことに加え、ハローワークへの求職相談などの要件を緩和したことが相談や申請が増えた要因とみられる。
 最も相談件数の多い青葉区は担当する保護1、2課の職員20人以上が対応に当たる。区役所5階の同課窓口に市民が殺到しないよう、4階の会議室に臨時窓口を設けた。これまでのピークは5月7日で、1日65件の相談があったという。
 担当者は「想像以上に多くの市民が相談に訪れている。飲食店従業員が多いように感じるが、学生の相談も少なくない」と明かす。
 納税猶予に関する相談も多い。国の緊急経済対策で、給与や事業の収入が前年同期に比べ20%以上減った納税者は、市県民税や固定資産税、法人市民税などの納付が1年間猶予される。
 既に固定資産税を中心に1カ月半で1171件の相談があった。市徴収対策課の桜井一幸課長は「6月以降は市県民税の相談が増えるだろう。例年は滞納者の不動産を差し押さえたりする時期だが、様相が異なり戸惑っている」と漏らす。
 国民健康保険料の減免も各区に数件ずつ相談があるという。市保険年金課の水谷修課長は「6月に納入通知書が送付されれば、件数が急増するかもしれない。適切に対応する」と語る。
 「最後のセーフティーネット」と言われる生活保護は急増の予兆を見せる。4月の申請件数は前年同月と比べ微増にとどまるが、相談件数は約2倍の826件に達している。
 市保護自立課の太田征史課長は「08年のリーマン・ショック時は翌年に申請が増えた。今後の動向にもよるが、1年後に現象が生じる可能性もある」とみる。

[住居確保給付金]離職や廃業で経済的に困窮して住居を失った人、失う恐れがある人の家賃を支援する制度。新型コロナウイルス感染拡大の特例措置で、離職や廃業と同程度の減収があった人も対象となった。仙台市の場合、支給される家賃の上限額は1人世帯が月額3万7000円、2人世帯が4万4000円、3人世帯以上が4万8000円。支給要件として世帯数に応じた収入基準額、預貯金の上限額が設定されている。


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2020年05月24日日曜日


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