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台風19号被害の宮城・大郷町が復興試案提示 水害対策強化し宅地整備

田中町長(右)の説明を聞く被災住民ら=大郷町中村の仮設住宅団地

 昨年10月の台風19号で被災した大郷町粕川の中粕川地区の復興まちづくりを巡り、町は24日、町内の仮設住宅団地など2カ所で住民説明会を開いた。吉田川の決壊箇所に建設される新堤防(長さ約330メートル)沿いの農道を約2メートルかさ上げするなどして水害対策を強化し、現地再建者の宅地を整備する試案を示した。
 試案には、拡幅する新堤防とかさ上げ農道の間に一定の幅を持った空堀(からぼり)を設けると記載。担当者は「越水時にあふれた水を流すのに使う」と説明した。堤防を強靱(きょうじん)化してもなお懸念される越水に備え、空堀と農道で集落を防御する考えだ。
 かさ上げ農道の宅地側には防災拠点となるコミュニティー施設を整備し、公民館分館や水防団詰め所、車や農機具の一時避難場所となる多目的広場を設置。宅地は現時点で10区画程度を想定している。
 防災拠点と宅地は、全壊した住宅が集中する地区南部にかさ上げして整備する。住宅を解体した後の土地は町が買い上げる方針。
 一連の事業は国の補助を見込み、新堤防の完成予定と同じ2023年度の整備、宅地分譲開始を目指す。
 町は、住民の意向や行政区との協議に専門家の助言も踏まえ試案を作成。今月末、個別相談会を開いて住民の考えを確認する。説明会で田中学町長は「水害被害を繰り返さない本格復興に向け、皆さんの意見を聞いてまとめたい」と述べた。
 説明会は新型コロナウイルス対策で5回に分けて開き、計約110人が参加。仮設住宅に住む高橋諭さん(68)は「水害に強いまちづくりが期待できるが、コロナの影響で事業に遅れが出るのが心配。できるだけ早く進めてほしい」と話した。


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2020年05月25日月曜日


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