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布マスク販売に食品加工業者が活路 被災者や福祉作業所と連携

災害公営住宅の自宅でマスクを縫う三浦さん(左)と見守る千葉社長=名取市閖上
福祉作業所の入り口で販売されている手作りマスク=名取市増田の友愛作業所

 新型コロナウイルスの影響で販路を失った仙台市泉区の食品加工業者が手作りマスクの販売を始めた。宮城県名取市閖上で被災した女性や同市の福祉作業所がマスク製造を手掛ける。

 食品加工業「リヒテンドゥーシェ」は千葉美和社長(56)が家族で野菜のドレッシングやソースを製造、販売する。店舗を持たず、郵便局での販売会が収入源だったが、新型コロナの影響で中止となり、売り上げはほぼなくなった。
 千葉社長は「嘆いていても仕方ない。人の役に立つものを作りたい」と、かつて洋裁を教わった名取市閖上の災害公営住宅に住む三浦りょう子さん(86)にマスク作りを依頼した。
 三浦さんは60年以上、専門学校や洋裁教室で講師を歴任。東日本大震災の津波で洋裁道具があった自宅を流された。2017年に入居した災害公営住宅には、ミシン5台を置く作業場を設け、住民らと洋裁を続けている。
 マスクは静岡県から取り寄せた五重織りの「遠州ガーゼ」を採用。天然素材で肌に優しく、手洗いで繰り返し使える。ガーゼ生地は柔らかく、立体感を出すためには技術がいる。1日30枚縫う三浦さんは「口に触れるものなので、手洗いや消毒で清潔を保っている。たくさんの人に使ってほしい」と呼び掛ける。
 ゴムひもの取り付けは、名取市友愛作業所が請け負う。同作業所も新型コロナの影響でカメラの組み立てなどの仕事がほぼなくなった。担当者は「通所者の居場所をつくるためにも仕事があるのはありがたい」と話した。
 遠州ガーゼのマスクは1枚660円、より柔らかい「しぼり」は858円。友愛作業所の入り口で販売する。平日午前8時半〜午後5時。連絡先は作業所022(384)8876。


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2020年05月25日月曜日


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