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国の臨時交付金、申請期限迫る 宮城の自治体取り組みに温度差

宮城県

 新型コロナウイルス対策で地方自治体に配分される国の地方創生臨時交付金を巡り、自治体の事業申請期限が29日に迫っている。医療体制整備や経済対策など幅広く活用できるが、原則として国が1日に示した109項目に上る事業メニューに当てはめる必要がある。申請期間の猶予が1カ月もなく、宮城県内では交付金活用に明確な方針を持つ自治体と頭を悩ませる自治体とに分かれている。

▼自由度を評価

 雇用・経済対策を重視したのは七ケ浜町。交付限度額9007万円のうち、大半を中小企業の支援金や、地元商店で使えるクーポン券を全世帯に配布する事業に充てる。寺沢薫町長は「効率的な対策を組めれば自由に使える」と評価した。
 大河原町も同様の方針だ。限度額9984万円から中小企業支援策として7000万円を計上した。約700事業者に一律10万円を支給する。限度額の不足分は財政調整基金(財調)を取り崩す。斎清志町長は「雇用崩壊を防ぐことが最優先だ」と説明する。
 交付金の対象は個人や事業者、団体、公共施設などに限られ、自治体の役割は基本的に交付金配分の「仲介役」でしかない。人口約1330と県内最少の七ケ宿町は、事業所や団体が少なく、メニューにこだわらない使い方を模索する。
 小関幸一町長は「メニューのうち、使えそうなのは2割弱。例示になくても必要な事業を見極め、国に求めたい」と話す。検討していた全世帯への商品券配布や水道基本料金の半年間免除といった独自支援策の財源として見込む。
 さらに交付金は財調などに充てることができず、事業が選定できない場合は返還が求められる。ある自治体幹部は「109項目もあるなんて、まるで引き出物のカタログ。申請期間も短く、自由度も高くない」と不満を口にする。

▼「まだ足りず」

 柴田町の滝口茂町長は別の点で頭を悩ませる。交付金は全額活用できる事業と、一部が自治体負担となる事業に分かれているためだ。「メニュー全体の6割以上となる約70項目は、自治体も負担する事業。将来の財政状況を考えれば、簡単に自治体負担を選択していいのか」と顔を曇らせる。
 加美町の猪股洋文町長は「今回の交付金事業は、感染防止の緊急対策とコロナ後の対策が一緒くたになっている」と指摘。「コロナ後には、経済対策などをじっくり練らないといけない。今回の交付金だけでは足りない」と注文を付けた。

[地方創生臨時交付金]新型コロナウイルス感染拡大を受けて国が創設した自治体向けの臨時交付金。医療体制の充実のほか、休業要請に伴う「協力金」など経済対策にも活用できる。県内の交付限度額は130億9448万円。市町村で最も多いのは仙台市18億2374万円、少ないのは七ケ宿町2331万円。


2020年05月26日火曜日


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