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日本三景「松島」ピンチ、県外客激減、我慢の日々

観光客がまばらな松島海岸地区=22日午後、宮城県松島町松島

 日本三景・松島で知られる宮城県松島町の観光業者が、新型コロナウイルスの影響による観光客の激減にあえいでいる。書き入れ時の4、5月の大型連休は店舗のほとんどが休業。25日に首都圏を含め緊急事態宣言が全面解除されたものの、県外からの観光客が戻る見通しは立たない。宿泊施設を中心に休業の継続も目立ち、関係者の我慢の日々が続く。

 町内の観光物産施設「松島さかな市場」は4月から営業時間を短縮し、飲食物のテークアウトと物産販売を続ける。もともと関東、関西方面からの団体客が多く、予約のキャンセルが相次いで4月の売り上げは前年の約2割に落ち込んだ。
 今月14日に宮城を含む39県で緊急事態宣言が解除された後も、客足は上向いていない。太田篤店長(59)は「インターネット販売などで新たな販路を確保し、松島の灯を消さないようにしていく」と戦略を練る。
 観光客の足も逆風にさらされる。地元の松島公園タクシーは稼働する車両を減らして営業し、週末と祝日は休業している。配車の受け付けもJR在来線の終電を待たずに終わらせる。4月の売り上げは前年の約3割にとどまった。
 阿部琢磨専務(31)は「住民が通院や買い物、外食を控えるようになった。従来のように客を運ぶだけでは生き残れない」と危機感をあらわにする。
 遠方からの観光客に依存する土産物店の打撃も深刻だ。陸奥物産店は例年、4、5月の売り上げが年間の2割を占めるほどだったが、今年の同時期の売り上げは前年の1割以下になった。
 運営会社の相沢慶太郎社長(39)は「ホテルが再開し、県外客が戻らないと売り上げは回復しない」と強調。会員制交流サイト(SNS)を始めるなど、ネット販売に力を入れているという。
 松島観光協会によると、今年の大型連休中の観光客は約1000人と昨年の約26万4000人から激減した。年約300万人の観光客を誇った松島。団体客を中心に首都圏などからの来訪が多かったこともあり、県境をまたいだ移動自粛の影響は大きい。
 松島湾を周遊する遊覧船やほとんどの宿泊施設は休業が続く。志賀寧(やすし)会長(67)は「仙台市など県内客に目を向けるしかない。一人一人の滞在時間を長くするため、新たな魅力をどうPRするか模索している」と語る。


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2020年05月26日火曜日


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