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気仙沼港「密」です コロナ要因、漁船で混雑 他港への流出懸念

係留中の漁船で混雑する気仙沼港=25日午前

 新型コロナウイルスの影響で遠洋マグロはえ縄漁船が出港を見合わせていることなどから、気仙沼港(宮城県気仙沼市)が混雑し、漁船の係留スペースが不足している。6月以降に本格化するカツオ漁への影響や、水揚げの際の他港への流出が懸念され、漁港管理者の宮城県をはじめ関係者は係留ルールの見直しなど混雑緩和に苦慮している。
 24日現在、気仙沼港には漁船44隻が係留されており、県と気仙沼漁港利用協議会との申し合わせで上限とされる41隻を上回っている。
 大半は、インドネシア人の乗組員が不足し出港できない遠洋マグロ船や、昨年から解禁されたサンマ漁の通年操業に今年は出漁せず、従来の漁期の8月まで港に残るサンマ船だ。
 漁港占有率は通常、ピーク時でも70〜80%だが、4月以降は90%超が続く。新型コロナの世界的流行で海外の基地港に入れず、漁を切り上げ既に帰港した遠洋マグロ船も出始めて、さらに船数が増えた。
 係留船が増え続ければ、7月には仕込みなどで漁船を横付けするスペースも足りなくなる見通し。気仙沼港が24年連続日本一を目指す生鮮カツオの水揚げにも影響しかねない。
 4月下旬、県と協議会は県外船籍のサンマ船などに、所属港への回航を要請する文書を送付。しかし一部の船主から「気仙沼に貢献してきたのに」と不満の声が上がったという。市幹部は「長年、気仙沼に水揚げしている常連の船が、大船渡や女川に移ってしまわないか心配だ」と気をもむ。
 県と協議会は26日、6月以降は一部の岸壁で漁船を横付けせず、船首を岸に向ける「縦付け」で係留隻数を増やしたり、入れ替えを促すため係留期限を従来の半分の5日間にしたりする新ルールを関係先に送付した。
 漁船が仕込みをする場所として、市内の商工岸壁や陸前高田市の長部漁港を一時的に利用できるよう交渉を進めている。カツオ漁船と、8月の出漁に備え艤装(ぎそう)するサンマ船とで係留数がピークとなる7月を乗り切る考えだ。
 ドックや問屋が充実し、しけや台風も回避できる気仙沼港は、これまで全国の漁船を受け入れてきた。県気仙沼地方振興事務所水産漁港部は「船籍が地元かどうかだけで係留漁船を選別することはできない。漁業者の理解を得ながら、コロナで生じた状況を乗り切りたい」と話す。


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2020年05月27日水曜日


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