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風化防ぎ防災意識醸成 震災復興伝承館、資料の収集と情報発信図る

閖上地区などに押し寄せた津波の被害を紹介したパネル

 東日本大震災の津波被害を受けた名取市閖上地区に30日オープンした市震災復興伝承館は、震災の記憶と教訓を未来に引き継ぐ防災学習の拠点となる。市は「震災を風化させず、防災意識の醸成に活用したい」と強調する。
 シアタールームでは市内各地を襲った津波の様子などを収録した約5分間の映像を上映する。「“閖上には津波は来ない”という誤った安全神話」と題したパネル展示では、住民の証言を紹介している。
 3月に終結した閖上津波訴訟の和解内容に基づき、震災時に市の防災行政無線が故障したため、住民に避難指示などの情報を伝えられなかったとして、パネルで遺憾の意を明示した。閖上地区の津波被害の原因や背景を調べた市の第三者検証委員会の報告書も閲覧できる。
 震災前の閖上地区の街並みを再現したジオラマは縮尺500分の1で、仙台高専や神戸大などの学生が制作した。開館記念として、震災発生時刻の午後2時46分で止まったままの旧閖上中の時計を展示している。
 伝承館は震災関連資料を収集、保管し、市内外への情報発信を担う。災害時には地元水防団の活動拠点として活用するほか、復興まちづくりが進む閖上地区の回遊を促す仕組みづくりにも取り組む。


2020年05月31日日曜日


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