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岩手・山田の仮設物産館「とっと」閉館 海の幸で復興けん引

家族連れに海鮮焼きを提供する佐藤店長(左から2人目)

 東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県山田町の仮設商業施設「やまだ観光物産館とっと」が5月末で閉館した。地元の海産物を提供し、復興をけん引してきたが、プレハブ施設の使用期限が近づき、7年の歩みに終止符を打った。
 開館は2013年4月で、町の補助を受けて町観光協会が運営してきた。山田湾の新鮮な海の幸を安価で販売し、その場で食べられるホタテやカキなどの海鮮蒸し焼きが人気を呼んだ。
 傷ついた町に明かりをともしてにぎわいを創出してきただけに、最終日の先月31日は大勢の観光客が別れを惜しんだ。盛岡市の会社員吉田利春さん(44)は「山田の復興のシンボルだった。閉館は残念」と語った。
 復興支援活動で縁が生まれた人気アイドルグループ「AKB48」のサインの展示スペースもあり、15年には最多の1万3000人が訪れた。店長の佐藤博子さん(61)は「復興は道半ば。7年間で培った財産を今後のまちづくりに生かしたい」と感慨深げだ。
 とっとは地元の幼児が使う言葉で「小鳥」の意。被災した事業者が仮設営業から再び羽ばたいていけるようにとの願いを込めた。これまで、敷地内の別棟に入居していた6店舗のうち5店舗が新規営業にこぎ着けた。
 施設の撤去期限は年度内で、今秋から解体作業の手続きが始まることから閉館を決めた。町観光協会の沼崎真也事務局長は「山田の復興状況をPRする場だった。海産物の通信販売は当面続けたい」と話した。


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2020年06月02日火曜日


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