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5歳児の3%に自閉スペクトラム症 弘前大グループが有病率を国内初推計

 自閉スペクトラム症(ASD)の有病率が5歳時点で3%以上であることが、弘前大大学院医学研究科の研究グループの調査で分かった。国際的な診断基準が変更されて以降、ASDの有病率を推計したのは国内で初めてという。ASDと診断された9割が、他の発達障害を併せ持っていることも判明した。
 調査は2013〜16年、弘前市と連携して実施。5歳児健診時に、子どもの様子や子育てのストレスなどについて、保護者と幼児が通う幼稚園などの教師らに書面で回答を求めた。書面調査で陽性と判定された幼児と、保護者が検査を希望した幼児に、知能や運動能力を測定する2次検査を受けてもらい、ASDかどうか診断した。
 調査対象5016人のうち、約8割が書面調査に回答。2次検査を受けた559人のうち87人がASDと診断された。検査に不参加の幼児も含め統計学的な調整を加えると有病率は3.22%と推定されるという。
 また、ASDと診断された88.5%が、注意欠如多動症(ADHD)など他の発達障害を持っていることも分かった。併存する障害が二つある幼児が36.7%と最も多く、一つが28.7%、三つが22.9%で続いた。
 自閉症の国内での有病率を巡っては、改訂前の診断基準に基づく1996年の調査で、0.2%とされていた。
 研究グループの斉藤まなぶ准教授(児童精神医学)は「3%という数字は、ASDを含む発達障害が決して珍しくないことを示している。適切な支援を早期に提供することが、本人と保護者の生きやすさにつながる」と指摘する。
 研究成果をまとめた論文は5月14日、英国の医学学術誌に掲載された。

[自閉スペクトラム症(ASD)]対人関係がうまく築けない、こだわりが強いといった特徴を持つ発達障害の一つ。コミュニケーションや言語に関する症状を重度から軽度まで連続体(スペクトラム)として広く捉えて診断する。国際的な診断基準が2013年に改訂され、別の障害とされていた自閉症やアスペルガー症候群も含まれるようになった。


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2020年06月03日水曜日


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