岩手のニュース

気仙丸再生へガラス塗装 津波に耐えた木造船、耐久性高め陸上展示 大船渡

液体ガラス塗装を施した上で陸上展示することが決まった千石船気仙丸(大船渡市提供)

 岩手県大船渡市の蛸ノ浦漁港に係留され、老朽化が進む北前船の復元船「千石船気仙丸」が、市中心部で陸上展示されることになった。船は東日本大震災の津波に襲われたがほぼ無傷だった。利活用を検討していた市などは、船を通して建造を手掛けた気仙地域の船大工の優れた技術力、震災からの復興をアピールする考えだ。
 気仙丸は1991年12月完成の木造船。大船渡商工会議所が所有する。全長18メートル、帆柱17メートル。腐食が進み、大規模な修繕が必要と判断されていた。
 今後、船を陸揚げし、洗浄、乾燥した後、表面を液体ガラスで塗装して耐久性を高める。広島県の厳島神社大鳥居などで施された手法で、防炎や防腐、変色防止の効果があり、長寿命化を図れるという。
 修繕後は大船渡湾西側の大船渡町地区に展示する。市は事業費7000万円を盛り込んだ本年度一般会計補正予算案を市議会6月定例会に提出する。可決後、市は全額を大船渡商議所に補助する。修繕は8カ月程度かかる見込みで、本年度内の完成を目指す。
 戸田公明市長は「地域の宝であり、津波に耐えた奇跡の船を誰もが見える形で残し、気仙地域の船大工の卓越した技術や文化を後世に伝えたい」と語った。
 気仙丸は92年に釜石市などで開かれた「三陸・海の博覧会」に出展され、毎年恒例の三陸・大船渡夏祭りでは数年前まで湾内を巡っていた。2010年にはNHK大河ドラマ「龍馬伝」でも使用された。
 地元の商工観光関係者でつくる団体が16年9月、老朽化する気仙丸の復活と利活用を求める要望書を市に提出。市と団体で検討を重ねていた。


2020年06月03日水曜日


先頭に戻る