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仙台市、災害時の自宅療養者対応に苦慮 明確な指針示せず

仙台市役所

 新型コロナウイルス感染拡大の第2波到来を見据え、仙台市が自宅療養者を災害時にどう避難させるか頭を悩ませている。指定避難所の利用は難しく、個別に避難先を指示するしかないが、具体的な場所や移動手段など課題は多い。自宅療養者が増えれば、個別に対応し切れない恐れもあり、今のところ明確な対応指針を示せずにいる。
 市は避難所の感染防止策として、マスクや消毒液の備蓄、体育館以外の教室などの使用、体調不良者の別室避難などの対策を講じるが、自宅療養者の受け入れまでは想定していない。
 市防災計画課の田脇正一課長は「感染者用の対応を取ったとしても、感染を広げるリスクや他の避難者の不安を考えると、災害時に指定避難所へ誘導することは難しい」と説明する。
 現時点では自宅療養が決まった段階で、患者の居住地などを考慮して個別に避難先を決めておき、災害に備えることを原則とする。
 避難先の確保は簡単でないとみられ、市内の宿泊施設を避難先にする案が浮上する。宮城県が療養先として借り上げた青葉区の宿泊施設に災害時、一時的な定員超過を認めるなどの受け入れ対策を視野に入れる。
 指定避難所より遠方に避難する状況も想定され、大雨や土砂災害などの場合は「避難準備・高齢者等避難開始」(警戒レベル3)の段階か、それ以前に避難を促すことを検討する。
 災害の中でも津波の場合は一刻も早く、近くの避難ビルやタワーに逃げ込まなければならない。だが、ここも一時的に人が密集するため、感染リスクがある自宅療養者の避難は難しい。
 市は沿岸部の津波避難エリアに住む市民が感染した場合は自宅療養ではなく、医療機関への入院、宿泊施設での療養を原則とすることを模索する。
 市内ではこれまで計65人が感染した。大半は医療機関に入院し、一部の軽症者や無症状者は宿泊施設で療養。子育てや介護などで家を離れられない事情を抱える10人が自宅療養した。
 第2波の到来で病床数が再び足りなくなれば、軽症者や無症状者を中心に自宅療養が増えるとみられる。災害時、患者を避難先へ搬送する民間救急車を確保できるかどうかなど、移動手段への不安も尽きない。
 田脇課長は「自宅療養者の避難は、早急に確たる方策をひねり出さなければいけないが、いまだ手探り。感染拡大が落ち着き、比較的余裕のある今のうちに態勢を整えたい」と語る。


2020年06月04日木曜日


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