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大崎市教委が施設利用者の名簿要求 主催団体「行き過ぎ」

 宮城県大崎市教委が新型コロナウイルスの感染予防策として、市文化施設で開催する行事の参加者の氏名や連絡先を記した名簿提出を求めていることが4日、分かった。感染の有無にかかわらず、自治体が個人情報の提供を求めることに、行事の主催団体などは「行き過ぎではないか」と疑問視している。

 県北の経済団体は、市岩出山文化会館での会合を9日に計画している。会館に利用を申請すると、出席者全員の氏名や連絡先を記した名簿を事前に提出するよう求められた。
 団体は万一に備えて名簿は作成する予定だが、大崎市教委に提出する場合、出席者一人一人から個人情報を提供するための承諾を得る必要があるという。
 団体の担当者は「新型コロナの感染が起きる前から名簿提出を求めるのは行き過ぎではないか」と困惑する。
 同市の施設を集会などで利用するという政党関係者も「出席者の中には名前が外に出るのを嫌う人もいる」と打ち明ける。
 大崎市教委は、市文化施設の利用希望者に対し、出席者が把握できる集会などは名簿を事前に提出するよう要望。把握できないイベントでは、開催時に参加者が記入した名簿を事後に提出するよう求めている。
 市生涯学習課の担当者は「プライバシーの問題はあるが、感染が起きる起きないにかかわらず、協力を呼び掛ける」と話す。
 仙台市青葉区の東京エレクトロンホール宮城(県民会館)などを管轄する県消費生活・文化課は、一般の施設利用者に名簿の提出は求めていない。「万一、感染が発生した時に提出を依頼することはある」(同課担当者)としている。
 全国公立文化施設協会(東京)が作成した感染拡大予防ガイドラインも、公演主催者の名簿作成と保存にとどめており、自治体など施設管理者への提出は求めていない。

◎丁寧に説明を/碓井真史新潟青陵大教授(社会心理学)の話

 コロナ禍では配慮が必要な感染者、医療従事者らへの嫌がらせや差別が起こっている。過剰な予防策は偏見と紙一重で、厳しくすれば良いというものではない。施設利用者の名簿提出がどうしても必要ならば、住民の理解を得られるよう丁寧に説明するべきだ。発信力のある行政機関などは、予防策が偏見や差別につながらないよう特に配慮が求められる。


2020年06月05日金曜日


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