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歯科受診控え深刻 宮城県歯科医師会長「自己判断せず相談を」

「歯科で院内感染がないのは、きちんと対策をしているということ」と説明する細谷会長

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、県内の歯科医院の受診控えが深刻化している。歯や口内の健康を保つことは、全身の健康につながるとされる。県歯科医師会の細谷仁憲会長は「自己判断せず、かかりつけの歯科医に電話で相談してほしい」と呼び掛ける。

 会員への調査によると、診察した患者数が前年と比べて「50〜80%台」と答えた割合は、今年3月時点で約2割だったのに対し、4月には約6割に上昇した。
 背景には患者側の感染への強い不安があるが、細谷会長は「歯科はいわば外科系。感染症対策は従前から高いレベルを求められてきた」と強調する。
 唾液や血液を含んだ飛沫(ひまつ)による歯科医自身の感染リスクは高く、医科が優先のため、アルコール消毒液や防護服は手に入りにくい状況が続くが、新型コロナのクラスター(感染者集団)が発生した歯科医院は全国でゼロだ。
 各医院は待合室の「3密」を避けるため、予約数を制限。子どものいるスタッフに配慮し、休診や診療を短縮するなど、安全安心の確保に腐心する。
 受診控えで経営は厳しさを増すが、金融機関の融資、中小企業や個人事業者向けの「持続化給付金」などの利用を考える歯科医院は少ない。「返済を考えると、利子補給があっても借りにくい」「申請のハードルが高い」といった理由があるという。
 県歯科医師会は、必要な治療の長期中断を懸念する。今月1日には、会員に積極的に患者に働き掛けるとともに、一層の感染対策に取り組むよう通知した。
 口内環境が悪化すると、特に高齢者は誤嚥(ごえん)性肺炎のリスクが高まる。細谷会長は「虫歯や歯周病は無自覚のまま進行する。気づいたときには手遅れになる恐れがある。定期的な検診が必要だ」と話す。


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2020年06月05日金曜日


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