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志津川湾で越冬したコクガン幼鳥 オホーツク海縦断を確認

背中に白いGPS送信機を付け、オホーツク海を縦断したコクガン(宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団提供)

 宮城県の志津川湾で越冬したコクガンの幼鳥1羽が春の渡りでオホーツク海を縦断し、約2500キロ離れたロシア・マガダンに到着したことが分かった。県伊豆沼・内沼環境保全財団(宮城県栗原市)と南三陸ネイチャーセンター友の会(宮城県南三陸町)が確認した。コクガンのオホーツク海縦断が明らかになったのは国内3例目という。

 国天然記念物の水鳥コクガンは繁殖地とされるロシア北極圏から秋の渡りで飛来し、国内で2500〜3000羽が越冬する。ラムサール条約登録湿地の志津川湾は餌の海草や海藻が豊富なため、毎年100〜300羽が飛来する。
 調査は両団体のメンバーが1月下旬に南三陸町の漁港2カ所で幼鳥4羽を捕獲し、背中に衛星利用測位システム(GPS)送信機を付けた。3羽は途中で消息が途絶えたが、1羽の追跡に成功した。
 財団によると、このコクガンは同町歌津の泊漁港周辺で越冬。研究室長の嶋田哲郎さん(51)はGPS情報を基に「日中は漁港で餌を食べ、夜は数キロ先の沖で羽を休めていることが分かった」と話す。
 コクガンは4月末に志津川湾を飛び立ってから北海道南部沿岸を移動し、国後島南部のケムライ岬周辺で約1カ月過ごした。その後、オホーツク海を1日で縦断し、5月末に同海に面するロシアの都市マガダン周辺に着いた。
 国内では2014年と19年にコクガンの春の渡りの調査が行われ、オホーツク海を縦断したことが確認されている。今回は携帯電話の電波網を利用するGPSを使ったため、飛行中の行動や速度の記録を取ることができた。海上で休みながら移動していることが分かり、飛行速度は時速50〜80キロほどだった。
 ロシア北極圏は電波網が途絶えるため、即時の行動追跡はできないという。嶋田さんは「幼鳥のため繁殖地に向かわない可能性があるが、電波網があるエリアに来れば情報が受信できる。ぜひ秋の渡りで戻ってきてほしい」と期待する。


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2020年06月09日火曜日


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