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昭和のスター、朝ドラで再び輝く 本宮出身の伊藤久男さん 地元で企画展

写真やレコードなどが飾られた伊藤久男展=福島県本宮市白沢ふれあい文化ホール

 「イヨマンテの夜」などで知られる昭和のスター歌手、伊藤久男さん(1910〜83年)が出身地の福島県本宮市で思わぬ注目を集めている。放映中のNHK連続テレビ小説「エール」で伊藤さんがモデルの人物が登場しているためだ。地元では企画展の開催や、ゆかりのお菓子販売でブームを盛り上げている。
 市内の旧家に生まれた伊藤さんは大学進学を機に上京し、曲折を経て23歳で日本コロムビア専属歌手になった。福島市出身で作曲家の古関裕而さん(09〜89年)の「イヨマンテの夜」「栄冠は君に輝く」や戦時歌謡を歌い、多くのヒット曲を世に送り出した。
 今回脚光を浴びたきっかけが古関さん、妻の金子さんをモデルにした「エール」。
 ドラマに登場する佐藤久志は伊藤さんがモデルで、人気ミュージカル俳優の山崎育三郎さんが演じる。本宮市内ではドラマを起爆剤に街を盛り上げようと、さまざまなイベントや商品が企画されている。
 市白沢ふれあい文化ホールは「伊藤久男展」(入場無料)を開催中。伊藤さんが歌った「紺碧(こんぺき)の空」のレコードや出場した紅白歌合戦のトロフィー、「暁に祈る」の楽譜など約130点の資料を7月5日まで展示している。
 会場入り口には伊藤さんの大きな写真とともに、幼年期に使ったとされるピアノなども飾られている。斎藤由美子館長は「休日は100人ほどが来場し、市外の人も多い。資料に触れることで業績を多くの人に知ってほしい」と話す。
 伊藤家の別荘だった市内の観光庭園「蛇(じゃ)の鼻」(入場料700円)も「伊藤久男写真展」を11月末まで開催する。古関さんとの写真など約40点を展示。満田幸弥支配人は「『エール』で知った若い人も訪問してくれる。ドラマの影響力はすごい」と驚く。
 市中心部の「ドイツパン工房ハルツ」は「チャーさんのクッキー」「チャーさんのパウンドケーキ」を販売。「チャーさん」は伊藤さんの愛称で、ケーキには帰郷した伊藤さんが好んで飲んだというウイスキーを混ぜ込んだ。
 伊藤さんの生家の敷地内にある店舗は昨年秋の台風19号豪雨で2メートル以上浸水し、4月末に再開したばかり。親類でもある社長の伊藤仁さん(65)は「訪れた人たちに味わってもらい、台風から復興する本宮を感じてほしい」と話す。


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2020年06月09日火曜日


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