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福島・教育研究拠点、旧避難区域に立地提言

 東京電力福島第1原発事故で被災した福島県浜通りに整備を目指す国際教育研究拠点構想に関する有識者会議は8日、最終報告書を取りまとめた。国立の研究開発法人などを新設する拠点の立地場所について、避難指示が出ていた地域を基本に絞り込むべきだとした提言を盛り込んだ。
 座長の坂根正弘コマツ顧問が田中和徳復興相に報告書を提出した。坂根座長は「福島の厳しい状況を逆手に取って岩盤規制を壊し、地方創生のモデルを示してほしい」と強調。田中氏は「大学の設置を含め、地元自治体と連携して構想を実現する」と述べた。
 報告書は拠点の立地場所に関し、原発事故の影響で人口減少が著しい浜通りの旧避難区域が望ましいと明記。生活環境や交通網、構想に参画する大学や企業の意向を考慮するほか、原発構内へのアクセスも重視するよう付言した。
 大学機能の一部移転を検討する東北大や福島大に対しては、一定程度の長い期間の参画を促す。多くの教員を拠点内に呼び込む観点から、予算確保は各大学に求めないことを原則とする方針を盛り込んだ。
 魅力ある拠点づくりには、一流の研究者を招請する環境が欠かせないと指摘。10年以上の長期スパンで研究できる潤沢な資金確保や手厚い給与など待遇面の強化、国際標準化をクリアした設備の充実を求めた。
 会合は新型コロナウイルス対策のため、復興庁と有識者を中継で結ぶテレビ会議方式で開かれた。福島県庁から参加した内堀雅雄知事は「復興には息の長い取り組みが必要。県としても周辺地域の環境整備を進めていく」と話した。
 拠点は浜通りに新産業を集積する「イノベーション・コースト構想」の一環で、昨年7月に有識者会議を設置した。政府は最終報告書を踏まえ、年内に立地場所を決定する。拠点は2023年春の一部開設、24年度の本格開設を目指す。


2020年06月09日火曜日


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