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宮城県沖地震42年 陸閘閉鎖システム開始 感染症踏まえ防災訓練

自動閉鎖システムの運用が始まった陸閘=宮城県七ケ浜町花渕浜地区

 宮城県は宮城県沖地震の発生から42年の12日、人や車が通るため防潮堤に設けた「陸閘(りっこう)」と水門が津波警報などの発令で自動で閉まるシステムの一部運用を始め、県庁では新型コロナウイルス感染症を踏まえた総合防災訓練を実施した。
 陸閘と水門の自動閉鎖システムは津波襲来時の現地作業を省き、安全性や迅速性が高まる。12日は東日本大震災の復旧復興事業で整備された塩釜、気仙沼、七ケ浜、女川4市町にある防潮堤の陸閘23基でシステムを稼働させた。
 七ケ浜町花渕浜地区では、防潮堤(海抜5.4メートル)の陸閘の操作訓練が公開された。仙台塩釜港湾事務所の遠隔操作で防潮堤上部の回転灯が点灯し、警告音が鳴る中、アルミニウム合金製の横引きゲート(長さ8メートル)が約2分で閉まった。
 住民らが海側に取り残された避難訓練もあり、防潮堤の階段で内陸側に逃げた。花渕浜行政区の鈴木幹夫代表区長(71)は「門が閉まった後、海側に残った観光客らに避難をどう呼び掛けるかなど、地域でも対策を考えたい」と話した。
 県内では東日本大震災で水門や陸閘の閉鎖に向かった消防団員ら11人が犠牲となった。県は石巻市、利府町が管理する水門、陸閘を含め計249基に本年度内のシステム導入を目指す。
 県庁での総合防災訓練には県や自衛隊など26団体の約200人が参加。新型コロナ感染防止のため、関係者が密集する従来の形式を取れず規模を縮小。電話やオンライン会議で情報収集や連携の在り方を探った。
 三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の大地震と大津波が発生し、翌々日に内陸部が豪雨被害に見舞われる複合災害を想定。コロナ禍で人員招集や避難所運営が難しくなる条件で訓練に取り組んだ。
 県外出張中という設定の村井嘉浩知事は、ネット電話アプリ「スカイプ」で災害対策本部会議に出席。沿岸部の状況把握や避難所での感染症対策を指示した。
 村井知事は取材に「東日本大震災など数々の災害を経験した県として、命を守る自助の精神を育てたい」と強調。遠隔会議の感触は「災害時に正しく機能するかは分からない。交信途絶も視野に入れた訓練も重要になる」と指摘した。


2020年06月13日土曜日


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