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<とうほくドローンeye>おくのほそ道編(22)にかほ/風景一眼の中(うち)

芭蕉が訪れた蚶満寺で夏を彩る合歓の花

 みちのくの旅の最後は、象潟と決めていたらしい。憧れの歌枕の地。心がせき立てられた芭蕉は、酒田から向かう。雨にたたられながらやっと到着した。
 翌日は晴れ渡った。鳥海山は天を支えるようにくっきりとそびえる。早速に小舟をこぎ出して象潟の島々を遊覧した。能因法師がこもったとされる島や、西行ゆかりの老桜をめでた。
 <松島は笑うが如く、象潟はうらむがごとし>
 松島に似ているが、どこか違う。夏の盛りなのに象潟は寂しく悲しい。雨にぬれる合歓(ねむ)の花を、中国の伝説的美女の愁いある表情と重ねた。<象潟や雨に西施(せいし)がねぶの花>
 「潟湖の穏やかな景色を女性的だと感じたのではないでしょうか」と蚶満(かんまん)寺住職の熊谷右忍(ゆうにん)さん(56)。芭蕉が訪れた後の1804年、象潟は地震で隆起し陸地となった。今は田んぼに水が張るこの季節のみ、往事をしのばせる。
(写真部・庄子徳通、小林一成)

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2020年06月13日土曜日


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