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ヘルメット着用し自転車乗ろう 仙台・宮城野区で5月に事故多発

自転車の市民を呼び止め、ヘルメットの着用などを呼び掛ける仙台東署員ら=9日午前8時ごろ、仙台市宮城野区苦竹1丁目

 仙台市宮城野区で5月、自転車で走行中に車にはねられるなどして死亡または、重傷を負う事故が相次いだ。いずれも市条例で努力義務となっているヘルメットを着用せず、中学生が一時重体となったケースもあった。事故防止と被害の軽減を図るため、仙台東署や市が注意を呼び掛けている。
 5月30日、苦竹1丁目の国道45号交差点で、自転車に乗って横断歩道を渡っていた女性(51)が乗用車にはねられ、死亡する事故が起きた。幸町の市道では同9日、自転車で狭い車道を走っていた区内の男子中学生(12)が転倒。頭を強く打ち、一時意識不明となった。東署によると、いずれもヘルメットを着けていなかった。
 女性の死亡事故があった交差点で今月9日、署員と宮城野区役所の職員ら約20人が、自転車の安全運転に向けて啓発に当たった。約1時間、周辺を通る自転車の市民を呼び止め「自転車利用者はヘルメットを着用しましょう」などと記したチラシを見せ、注意を促した。
 東署の三浦清也交通課長は「休校が明けた6月以降、交通量が増えており、さらに事故が発生する恐れがある。今後も注意を呼び掛けたい」と話す。
 自転車が絡む事故で死亡、重傷となる要因は頭部の損傷が多い。宮城県警によると、昨年県内で起きた自転車の死亡事故5件は全て、ヘルメットをかぶっていれば亡くならなかった可能性があるとみられる。
 2019年1月に施行した市の自転車の安全利用に関する条例は、ヘルメットの着用を利用者の努力義務と定めた。19年10月の市の調査では、自転車走行時にヘルメットを「いつも・ときどき」着用する人は回答者の7%にとどまった。
 市の担当者は「小学生高学年以上に浸透していないようだ」と指摘。自転車利用者全てのヘルメット着用を呼び掛けている。

◎自ら身を守る大切さ実感

 自転車利用者のヘルメット着用率は小学校高学年を境に、低くなるとされる。自転車で事故に遭った仙台市内の中学生と家族が河北新報社の電話取材に応じ、事故の教訓やヘルメットを着ける必要性について語った。
 宮城野区の中学1年の男子生徒(12)は5月末、同区の市道で、自転車で横断歩道を渡ろうとして、左折してきた車と接触。転倒し、肩や腕にけがを負った。
 生徒はヘルメットをかぶっていなかった。友達らが着けていないことや荷物になることなどを理由に挙げる。小学3年ごろまで使っていたヘルメットは、サイズが合わなくなった。
 中学生になり、自転車で出掛ける機会が増えた。生徒は「事故が身近なものだと思っていなかった」と自身の接触、転倒事故を振り返る。自ら身を守る大切さを知り、母親(44)に「ヘルメットがあった方がいいかな」と語ったという。
 母親も「車や自転車のスピードが出ていたら、頭を打っていたかもしれない」と頭部損傷の事態を想定し、ヘルメットの役割に関心を高めている。


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2020年06月17日水曜日


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