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「配布完了」のアベノマスク 未着、重複報告相次ぐ 厚労省、一部届かず認める

布マスクの配布がおおむね完了したと伝える厚労省のホームページ

 新型コロナウイルスの感染防止対策として政府が全世帯に2枚ずつ配る布マスクが、自宅や店舗などに複数届いたり、空き家に投函(とうかん)されたりした問題を巡り、読者から反響が寄せられた。厚生労働省が「全国でおおむね配布完了」とした15日時点で受け取っていないとした市民が多く、改めて政府の対応に不満の声が上がっている。
 仙台市青葉区の会社員女性(57)は16日になっても布マスクを手にしていない。「既に薬局やスーパーで出回っている。困っていた時に届かず、意味が全くない」と憤る。
 「同じ集落でこんなに違うなんて」と話すのは、宮城県角田市の農業女性(67)。16日夕になって宅配されたといい「2週間前に届いていた家もある。欲しいと思わないが、いいかげんさに腹が立つ」と声を上げる。
 青葉区の無職佐藤安夫さん(79)も16日に受け取った。「郵便受けから誰か持っていったのかと不安になっていた」と言う。
 自宅と勤め先で配達が重複したケースは他にもあった。泉区の会社役員男性(61)は、職場がある青葉区のオフィスビルの集合ポストにも入っていたのを見た。「誰が見ても世帯が入っていないと分かるはずだ。無駄なことだ」と批判した。
 受取人のないマスクの有効活用を促す声も聞かれた。同県名取市の契約社員男性(61)は「市役所や身近な公民館に回収箱を置いてはどうか」と提案。宮城野区の無職女性(57)は「返却できる選択肢を設けてほしい」と訴えた。
(この記事は「読者とともに 特別報道室」に寄せられた情報を基に取材しました)

◎配達状況まとめ切れず

 「アベノマスク」とやゆされる政府による布マスクの配布を巡り、宮城県内で遅配や未着のある実態を踏まえた河北新報社の取材に、厚生労働省は16日、「郵便事情により、届いていない所も一部ある」と遅れを認めた。同省は15日夜、ホームページ(HP)で「全国でおおむね配布完了」と公表したばかりだった。
 同省マスク等物資対策班によると、宅配を担う各地の全ての郵便局に12日までに納品した。通常なら3日程度で配達を終えると見込み、HPでの表明に踏み切ったという。
 配達を請け負った日本郵便によると、今回は指定する地域の配達可能な全箇所に郵便物を配る「タウンプラス」を活用。郵便局への入荷から1週間から10日程度で届ける約束だった。
 日本郵便は同省に、各郵便局の状況を報告していた。15日現在で、全ての郵便局で配達を完了したかを、まとめ切れていなかったという。日本郵便調査・広報部は「順次しっかり配達していきたい」としている。


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2020年06月17日水曜日


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