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女川原発避難計画改定案 立地2市町長は肯定的評価 受け入れ市町村は困惑

 女川原発の重大事故を想定した広域避難計画の改定案が17日公表され、立地2市町の首長は新型コロナ対策を盛り込んだ内容を当然と受け止めた。避難者を受け入れる宮城県内の市町村は密集回避の検討を迫られ、困惑を隠せない。計画の実効性に疑問を呈してきた市民団体は批判を強めた。
 2市町長は17日の女川地域原子力防災協議会にテレビ会議で参加した。
 「追加規定を肯定的に捉えている」と終了後に表明した須田善明女川町長は「原子力災害では室内を換気できない特殊性がある」と指摘、具体策を詰める方針。亀山紘石巻市長も「感染拡大に備え、できるだけ早く対応することは危機管理上必要だ」と評価した。
 原発30キロ圏内のUPZを抱える同県美里町は、町民の広域避難に加え、石巻市からの避難者にも対応する。相沢清一町長は「改定案は具体的な部分がない。ますますハードルが高くなった印象だ」と不安視する。
 新型コロナの感染者が5人確認された町内の現状を踏まえ「従来の避難計画を再点検する必要がある」と一部見直しの可能性を示唆した。
 計画では立地2市町から計約1万7000人が避難する栗原市。46カ所の避難所開設を見込むが、密集回避を求める改定案により、練り直しが不可避。市危機対策課の担当者は「改定前でも避難所で対応できる職員数はぎりぎりだった。施設は増やせても、職員がいない」と嘆いた。
 市民団体「女川原発の避難計画を考える会」の原伸雄代表(78)=石巻市=は「屋内退避では住民の密集が避けられず、矛盾する内容を住民に強いている。パンデミック(世界的大流行)と異なり、原子力災害は原発を再稼働さえしなければ防げる」と訴えた。
 県は30キロ圏内の7市町と連携し、計画の充実を図る。遠藤信哉副知事は「防災訓練を実施し、感染の流行下でも実効性がある内容にしていく」と述べた。


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2020年06月18日木曜日


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