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新潟・山形地震から1年 津波避難の体制強化急務

3月に津波災害警戒区域に指定された鶴岡市の沿岸部=15日、鶴岡市由良

 山形県沖を震源とする新潟・山形地震が発生して18日で丸1年。発生直後に日本海沿岸に高さ10センチ前後の津波が到達し、県内では2011年の東日本大震災以来の津波観測となった。県沿岸は今年3月に東北で初めて全域が「津波災害警戒区域」に指定され、避難の体制強化が急がれている。

 県は最大級の津波が発生した場合、最高水位7.0〜16.3メートル、到達時間1分未満〜11分、死者約5000人と想定する一方、早期避難などで死者は8割減らせると見込む。避難対策を強化するエリアとして3月に鶴岡、酒田両市の沿岸計約1500ヘクタールを同警戒区域に指定。昨年3月に指定済みの遊佐町と合わせて県沿岸全域を対象とした。
 先行する遊佐町では、区域内の保育所が昨年11月、義務付けられた津波避難計画を策定。人員配置や備蓄、連絡体制を初めて明文化し、保護者と共有するようになった。鶴岡、酒田両市も同様の義務が生じた病院や福祉施設、学校計26カ所で計画策定を急いでいる。
 新潟・山形地震では深夜に県沿岸などに津波注意報が発表され、3市町で一時約3200人が避難した。避難の迅速さが評価されたが、鶴岡市が同10月に約240地区の自主防災組織から回収したアンケートからは課題も浮かび上がる。
 沿岸部の地区の60.9%が「夜間で避難路が暗く、避難が困難」と回答した。「避難の呼び掛けで困り事があった」との指摘も60.0%に上り、具体例で機器の不具合などを挙げた。
 同市温海地域で地震直後に停電が発生し、外灯が消えたり、全戸配備のスピーカーから津波注意報や市の避難指示が流れなかったりした影響とみられる。
 他にも指定避難場所以外への避難や避難場所の備蓄品不足が多く報告された。
 避難路の整備や避難場所の機能強化に向け、国土交通省は本年度、津波災害警戒区域を補助制度の対象に加えた。鶴岡市の担当者は「避難路整備には市単独の財源で予算を組んでいたが、国の制度と合わせれば効果が大きくなる。詳細を検討したい」と話す。
 津波災害警戒区域は、津波防災地域づくり法に基づき都道府県が指定できる。最大級の津波から逃げられるよう、区域で官民が避難場所や避難路の確保といったソフト対策を強化する。


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2020年06月18日木曜日


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