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技術を集めた斜張橋 国内で9年ぶり 気仙沼湾横断橋

2本の主塔から延びるケーブルで支えられる気仙沼湾横断橋。荒れる波や強風で工事は難航した=21日午前11時ごろ、宮城県気仙沼市

 21日に接続工事が完了した三陸沿岸道の気仙沼湾横断橋(仮称)は、国内で9年ぶりに誕生する斜張橋だ。斜張橋工事に対応できる技術者は国内でもわずかで、精鋭を集めての建設だったが、海上での工事は荒れる波や強風で難航。両側の車窓に海が広がる三陸道随一のビューポイントは、苦労の末に生まれた。

 横浜ベイブリッジなどで知られる斜張橋は主塔から延びるケーブルで橋桁を支える。少ない橋脚で海上をまたぐのに適した形式だ。
 気仙沼湾横断橋の2本の主塔は海上からの高さが115メートル。40本のケーブルで乗用車約5500台分の重量を支える。主塔間の長さは360メートルで、青森ベイブリッジ(240メートル)を抜き東北でトップになる。
 斜張橋の建設は2012年開通の新湊大橋(富山県)以来。ケーブルを張り主塔を組み立てるには特有の技術が求められる。工事を請け負った共同事業体(JV)は、東京や大阪の下請け会社から技術を持つ人材を特別に呼び寄せた。
 海上部の主塔建設では、つり上げる部材が揺れて作業員が挟まれないよう、波が荒れた日は作業を中止した。東京からの作業用クレーンの海上輸送も荒天で大幅に遅れ、天候による遅延は延べ2カ月に上った。
 「室根おろし」と呼ばれる一関市の室根山から冬に吹く北西の風も強烈で、瞬間最大風速が30メートルを超えた場合は即座に工事を中断。作業員の一人は「主塔の上部はじわーっと揺れ、背筋が凍った」と振り返る。
 漁船の航行を妨げないよう、夜間の作業も強いられた。JVの担当者は「気仙沼特有の事情があり、工事の難易度は高かった。開通まで残りの工程もしっかり進めたい」と話した。


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2020年06月22日月曜日


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