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秋田大の慎重対応に学生困惑 緊急事態解除後も自粛は継続「不安解消に努めて」

 「大学が緊急事態宣言解除後もアルバイト禁止などの指針を変更せず、学生の経済活動が制限された」。秋田市の秋田大医学部の男子学生Aさん(22)から、新型コロナウイルス感染拡大に伴う大学の対応を疑問視する声が「読者とともに 特別報道室」に届いた。取材を進めると、先例のないコロナ禍で対応に苦慮する大学と苦しい生活を強いられる学生の姿が見えた。

 発端は医学部の男性教授が4月4日、学部生に送った無料通信アプリ、LINE(ライン)のメッセージ。不要不急の外出自粛を要請した大学の方針に沿った内容だったが、「教授陣の間ではアルバイトをしていた学生がいたことが大きな問題となっています」との文言が波紋を呼んだ。
 Aさんは「アルバイトを辞めなければ教授会で処分されると受け止めた学生もいた」と行き過ぎた内容だったと指摘。通知の翌日には、医学部長が男性教授に口頭で注意した。

 講義再開時期の度重なる変更も学生を混乱させた。男子学生Bさん(23)は、4月に講義が始まるため3月末までに戻るよう求めた大学の通知を受け、3月下旬に実家のある県外から秋田市のアパートに移った。
 ところが4月上旬、オンライン講義への移行と講義開始が4月12日から5月7日に延期されることが決まった。秋田県が緊急事態宣言の対象となった4月16日の翌日には、大学が県境を越える移動やアルバイトの自粛を学生に要請。Bさんは実家に戻ることも働くこともできなくなった。
 それまでは月2万〜3万円の仕送りと7万円ほどのアルバイト代で生活してきた。今は貯金を切り崩しながら生活しており、Bさんは「せめて講義の変更を早めに連絡してくれれば実家で過ごせた」とこぼす。

 秋田を含む東北6県は5月14日に緊急事態宣言が解除された。東北大や弘前大、岩手大などは翌15日に講義やアルバイトなど行動指針の改定を通知。秋田大は、5月29日に許可制でアルバイトを認める指針に改訂するまで通知などがなく、戸惑う学生もいた。
 秋田大広報課は「クラスター(感染者集団)のリスクを極力低減するため(解除後も)自粛要請の継続を決めた」と説明。「特に医学部は付属病院に感染が波及すれば大変な事態に陥る」と理解を求めた。
 Aさんは「宣言解除後に大学側に外出やアルバイトについて尋ねても『まだ何も分かりません』という回答だけだった」と憤る。Bさんは「絶対に感染者を出せないという考えは理解できるが、ぎりぎりの生活をしている学生も多い。学生の不安解消の方針を示してほしかった」と訴える。


関連ページ: 秋田 社会 新型コロナ

2020年06月20日土曜日


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