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チリ地震津波60年、備えの大切さ再確認 大船渡で慰霊祭

チリ地震津波で大きな被害を受けた大船渡町地区を見下ろせる加茂神社で営まれた慰霊祭

 三陸沿岸を中心に国内で142人が死亡・行方不明となった1960年のチリ地震津波の襲来60年に合わせ、犠牲者が国内最多の53人に上った大船渡市で24日、慰霊祭があった。関係者が当時の災禍に思いをはせ、日頃から備えることの重要性を再確認した。
 会場となった加茂神社の総代会関係者や戸田公明市長ら約50人が参列。大船渡湾を見下ろす高台で黙とうした後、玉串をささげ、静かに手を合わせた。
 戸田市長は「明治三陸大津波、昭和三陸津波、東日本大震災と繰り返し甚大な被害に見舞われた。津波の記憶を風化させることなく、次の世代に伝えることが重要だ」とあいさつした。
 参列した井上忠志さん(82)は「(60年前)自宅は被害を免れたが、魚市場周辺が一変したことを覚えている。津波への備えを怠ってはいけない」と訴えた。
 チリ地震津波では大船渡湾西側で被害が大きく、1100戸を超える住宅が流失・全半壊した。市は翌61年、底面の一辺が5メートル、高さが24メートルの四角すいの津波警報塔を加茂神社に設置した。
 荒谷貴志宮司(54)は「警報塔の大きさがチリ地震津波の日付と同じ数字なのは、過去の津波を忘れないようにするため。震災の方が犠牲者が多く被害も大きいが、チリ地震津波を忘れてはいけない」と強調した。
 慰霊祭は当初、津波が到達した5月24日を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、1カ月遅れで実施した。


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2020年06月25日木曜日


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