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原発禁止求める株主提案、全て否決 女川再稼働論議平行線 東北電総会

株主総会の受付にはパーティションが設けられた=25日午前9時ごろ、仙台市青葉区の東北電力本店

 東北電力が25日開いた株主総会で、原子力発電の禁止などを求めた株主提案6件は全て退けられた。女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)が国の審査に合格し、初めて迎えた総会。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から9年を経て再稼働が現実味を帯びる中、株主と会社側の質疑は平行線をたどり、東北の株主自治体の多くが否決に回った。
 株主提案はほかに、審査合格の辞退や、女川原発の重大事故を想定した広域避難計画の実効性が担保されない限り再稼働させないことなども要求した。
 一方、会社側は総会で「エネルギー資源に乏しいわが国で、原発は安定供給や経済効率性、環境適合の観点から重要な電源。将来にわたり一定規模を確保する必要がある」と主張した。
 原発30キロ圏の宮城県美里町は全6件に賛成した。相沢清一町長は「『絶対安全』はなく、リスクを見詰めるべきだ。福島の事故を忘れてはならない」と訴える。
 東北の株主自治体では、女川原発の立地自治体である石巻市と宮城県に加え、ともに30キロ圏の登米市と宮城県南三陸町は、いずれも全6件に反対した。
 石巻市の亀山紘市長は取材に「エネルギー政策は国の考え方もある。原発は雇用の問題など地域へのメリットもある」と説明。再稼働の前提となる「地元同意」の手続きを控える宮城県は「安全性の確保を大前提に、原発の必要性も含めて総合的に判断すべきだ」と従来の考えを踏襲した。
 発行株式の約1%に当たる約520万株を保有する大株主の仙台市も、全6件に反対。「国が判断すべき事案」などと指摘した。
 原発事故を経て、県内の原発全10基が廃炉となる福島県は「総会の場では会社の経営に関与しない」と棄権し、南相馬市は6件に賛否を示さなかった。震災後に「卒原発」を掲げた山形県は6件に白票を投じている。
 25年連続で株主提案した「脱原発東北電力株主の会」の篠原弘典代表(73)は「原子力の持つ本質的な危険性が原発事故で立証された。リスクの大きい一極集中型の原子力の時代ではなく、分散型のエネルギー資源を活用する時代に転換せざるを得ないことは明らかだ」と強調した。


2020年06月26日金曜日


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