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地上イージス撤回 振り回された秋田・新屋住民に安堵感

イージス・アショア反対を訴える看板が並ぶ秋田市新屋地区

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備計画の撤回が明らかになった25日、候補地とされてきた陸上自衛隊新屋演習場(秋田市)がある新屋地区の住民に安堵(あんど)感が広がった。計画が浮上してから2年半余り。ずさんな内容に振り回され、不安と疑念を抱えて過ごした住民に、ようやく静かな暮らしが戻ってきた。
 「停止という言葉だけでは近い将来、計画が再開されるのではないかと思い、不安が消えなかった」。主婦佐藤智子さん(67)は胸をなで下ろした。「これで東京に住む娘にも安心して帰って来て、と言える」と笑顔を見せた。
 主婦高橋幸子さん(64)は「身の危険を感じて生活することがやっとなくなる。地上イージスに頼らない平和的外交を願う2年半だった」とほっとした表情で語った。
 新屋演習場への配備計画が持ち上がったのは2017年11月。住民には何の説明もなく、寝耳に水だった。地区は演習場から数百メートルの距離。住宅地が広がり、学校が点在する。高橋さんは「配備されたら新屋が狙われる可能性もあったと思う。撤回は当然の結果だ」と憤りもにじませた。
 防衛省は19年5月、同演習場を「適地」とした調査結果を公表。ところが、新屋以外の国有地9カ所の調査にミスが発覚した。
 無職鈴木博さん(78)は「どうして新屋が選ばれたか最後まで分からずもやもやしている。国に振り回され、無駄な年月を過ごした」と、釈然としない表情を浮かべた。
 「住民の安全、安心を無視し、国の意向だけが先行していた」と言うのは無職児玉和彦さん(73)。ミス発覚後、地区で急きょ開かれた住民説明会で、防衛省職員が居眠りしていたことを挙げ「あれが象徴的だった」と振り返った。
 降って湧いたような配備計画は、幕引きも突然だった。配備反対を訴えてきた新屋勝平地区振興会長の佐々木政志さん(70)は「苦悩の日々だった。肩の荷が下りた」と息を吐き、「ようやく安住の地になる」と言葉をつないだ。


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2020年06月26日金曜日


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