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仙台・美術教室生「絵画で丸森に元気を」 被災工房の和紙に使い水彩画

真剣な表情で制作に励む子どもたち
子どもたちが描いた色鮮やかな水彩画

 昨年10月の台風19号で被害を受けた宮城県丸森町を絵画で励まそうと、仙台市青葉区の日本画家飯川知世さん(57)の美術教室に通う子どもたちが水彩画を制作した。キャンバスには被災した同町の和紙工房のシルク和紙を使った。秋に町内で展示する予定で、飯川さんは「丸森の人たちを思って一生懸命描いた絵の数々を見てほしい」と語る。
 制作したのは、飯川さんが自宅で開く「錦ケ丘美術研究所」に通う小中学生約30人。台紙に貼り付けた横33.5センチ、縦56センチのシルク和紙に、阿武隈川やヒマワリといった丸森の四季の風景などを描いた。町民へのメッセージも添えた。
 生徒たちは制作に入る前の1月中旬、台風19号を特集したテレビ番組を見て被害の現状を学んだ。被災者の暮らしを想像し、どんな絵を描けば励ますことができるのか思いを巡らせた。
 錦ケ丘小3年の堀籠柊守(しゅうま)君(8)は「笑顔を忘れないで」との思いを込めて、朝焼けでオレンジ色に染まる阿武隈川を描いた。同小5年の土生(はぶ)涼華さん(11)は「きれいな景色を思い出してほしい」と、桜とこいのぼりが泳ぐ様子を表した。
 全国で唯一、シルク和紙を制作する丸森町中島の和紙職人舩山達子さん(68)の工房は、台風19号で1メートル以上床上浸水し、紙作りのための機械や材料などが水に漬かった。
 日本画家の飯川さんは、シルク和紙の光沢や柔らかい質感を気に入り、約15年前から画材に使っている。台風被害後は、泥が付いてしまった和紙も買い取って舩山さんを応援している。
 子どもたちの絵画は、10月ごろに同町の観光施設「斎理屋敷」で開かれる「シルクフェスタ」で展示する。仙台市内でも今夏展示するはずだったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で来年に延期する予定。
 飯川さんは「子どもたちの作品には、優しさや思いやりの心が表現されている。絵を通じ、丸森の人たちに少しでも元気を届けられたらうれしい」と話している。


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2020年06月28日日曜日


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