広域のニュース

東北で広がるオンライン商談 ホタテ、締めさば、黒ニンニク…海外にも攻勢

東経連主催のオンライン商談会の様子。企業関係者が米国のバイヤーに商品を売り込んだ

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、オンラインでの商談が東北で広がりつつある。対面式と比べ、感染リスクを減らし、移動時間やコストを削減できるメリットがある。商談会の中止や延期が相次いでおり、関係者は「第2波、第3波も想定される中、有効なビジネスツールになる」と期待する。

 ホタテに締めさば、黒ニンニク、大福。日米をつなぐオンラインの画面に、東北6県と新潟県の地域産品が次々と映し出された。

 全国で外出自粛が求められていた5月中旬、7県の食品関連企業計28社が個別商談会に参加した。当初予定の対面式からオンラインに切り替えての開催だった。商談は1社25分。ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を通じて、米国のバイヤーに自社商品を売り込んだ。
 水産加工業の八葉水産(気仙沼市)は、三陸産のメカブやワカメを用いた洋風ソース、キムチに漬けたイカなどをPRした。清水勝之常務は「自由に移動できない中での取引先とのコミュニケーションや商品提案に有効だと思う。ただ、商品を立体的に並べた方が、より魅力が伝わったかもしれない」と課題を口にした。
 多くの企業はZoomを使い慣れていない。商品を試食してもらえないデメリットもある。それでも22社の商品が、10月に米カリフォルニア州やハワイ州で開催予定の「東北フェア」で取り扱われる見込みとなった。商談会を主催した東北経済連合会の小野晋常務理事は「生産者の所得向上や販路拡大につなげたい」と意気込む。

 東経連が3月に実施した調査で、新型コロナの事業活動への影響(複数回答)として回答企業301社の約5割が「売り上げ・受注減少」、約4割が「出張や商談の禁止」を挙げた。感染リスクの回避と業績向上を両立させる方策が求められている。
 青森、岩手、秋田の北東北3県では5月下旬、酒造業者8社と中国・大連市のバイヤーがオンライン商談会に臨んだ。開催した日本貿易振興機構(ジェトロ)青森貿易情報センターの担当者は「購買意欲が高く商談は円滑に進んだ。今後はオンラインの商談が世界の主流になっていくのではないか」と予測する。
 東日本大震災で被災した水産加工業者の販路拡大を後押しする「東北復興水産加工品展示商談会」は今月上旬、第6回の開催を予定していた。117社が出展するはずだったが新型コロナの影響で初めて中止となった。
 事務局の東北六県商工会議所連合会は各商議所を拠点に周辺の加工業者を集め、テレビ会議システムでバイヤーと結ぶといった代替案を探る。担当者は「オンライン商談に対応できる設備のない零細企業も多い」と話し、希望があれば各商議所の設備を貸すことも検討する。


関連ページ: 広域 経済

2020年06月28日日曜日


先頭に戻る